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「コミュニケーション」が絶望的な人ほど、自分は盛り上げ役だと勘違いしている

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こんにちは、トイアンナです。
私は就活の支援をしているのですが、「コミュニケーションが得意」と自己PRへ書く方は、「これを書いたら落ちますよ」と助言しています。

というのも「コミュニケーションが上手」と書く大半の方は、コミュニケーションが下手だからです。自分語りが得意なだけだったり、偉い人の意見を下に流す伝書鳩だったり……。
コミュニケーション強者を自称する人ほど実際は危ういというのは、採用担当者の常識です。

そして、この傾向って、恋愛や婚活でも同じです。
私たちは驚くほど、デートで自分が相手よりコミュニケーション強者だと思い込みがちなのです。

目次

相手のコミュニケーションにイラっとするのは自分がコミュニケーション弱者だから

マッチングアプリのやりとりや、婚活パーティのデート。
こういった初対面の相手との会話では、高いコミュニケーション能力が求められます。
最初からクスっと笑えるメッセージをマッチングアプリで送れる人は、ホストか隠れ既婚者くらいです。

最近のホストはマッチングアプリで偶然の出会いを装いながら「お客さんのつもりじゃないよ。彼女だと思ってるよ」と言いつつ、女性を沼へ引きずり込みます。
マニュアルもありますし、先輩から指導を受けながらやっています。
だから顔写真も強いしプロフィールやメッセージがめちゃくちゃ面白いのです。

むしろ面白いメッセージが届いたときこそ、警戒したほうがいい。
それほど、婚活や恋愛でのやりとりは難しいものです。

ところが、私たちはデートで盛り上がらないと「相手が盛り上げてくれなかったから」と、つい他責に走りがちです。
確かに、相手のノリが悪かったかもしれません。
しかし、それは本当に相手のせいでしょうか。

あるとき「デートで相手の話がつまらなすぎる」と言っている女性に頼み、デートの会話を録音してもらったことがあります。
男性は必死に話題をふっているのですが、女性がほぼだんまり。
そのせいで男性のテンションがどんどん下がっていったのに、女性からは「相手が盛り上げてくれなかった」ふうに見えていたのです。

デートは男性が盛り上げるものという期待、思い込み、誤解

こういう相談を深く掘り下げていくと「デートでは、男性が話題を提供して盛り上げるべき」という無意識の思い込みが出てきます。
もっと言えば、「私のつまらない話を広げたり深めたりして、面白く展開してほしい」と願っています。

しかし、これができるのはホストか詐欺師くらいのもので、普通の男性は私たちと同じくらいつまらないのです。
だって、私たちと同じ素人の人間だもの。

確かに、たまにすごい男性っています。
「この前の週末は何してたの?」から、どんなにつまらない返事が出てきても話を広げられる天才が。
私が「仕事」と答えようものなら、「えっ、土日も働くの? 大変だね。でも結構仕事好きだったりする?」
と、どんどんこちらに語らせてくれます。

この男性は投資銀行のIBD(きわめてざっくり解説すると金融面での企業向けコンサルタント)でトップの結果を出していました。
そりゃ、こんな話術があればどんな企業の担当者もほれ込むよと納得したわけです。

それくらい「デートが面白い」状態を作るのは難しい。
だから、相手に期待してはいけないのです。

相手が話をしてくれないなら、究極は「自分が話しまくるだけ」でもいい

デートで相手が沈黙気味……となったとき、女性の多くが沈黙で返しがちです。
しかし、それでは互いにコミュニケーション弱者のバトルをしているだけになってしまう。

理想的には「先週末、何してました?」「最近マイブームとかあります?」といった、
当たり障りがない質問から話題を掘って掘って掘りまくり、相手の話をずっとさせてしまえば楽にコミュニケーションできます。

もしそれでも「別に……」とか「何もないです」しか出せない相手なら、もはや自分の話をし続けてもいい。
世の中には自分の話をするより、相手の話を聞くのが好きでたまらない人というのもいて、こういうタイプにはひたすら自分語りをしてもよいのです。

「私さ、最近刺繍にはまってて。刺繍って糸を布に縫うだけに思えるじゃない? 実はそうじゃなくて、布から手がびろーんって伸びて出てくるとか、立体的な工作もできるの。ほら、この写真が実際に3Dで刺繍してる作家の〇〇さん! で、この〇〇さんの技法をまねしてみたいと思って」

と、自分の趣味語りをすると、案外そういうのを聞いてみたかった! という男性が出てきます。
特に婚活男性は「趣味はカフェ巡りです……つまり無趣味です……」という女性とのデートで疲弊していますから、趣味や仕事について熱心に語ってくれる女性へは、採点が甘くなる傾向があります。

「自分語り」は男性→女性の話術では「つまんないから」と失格となりやすいのですが、女性は会話を苦手とする方が多いおかげで、自分語りすら許されるのです。ラッキー!

会話を切り出す「オープナー」を複数持っておこう

さて、メッセージであれ対面デートであれ、大変なのは一番最初。
「今日はいい天気ですね……」
「本当にいい天気ですよね……」
「えっと……〇〇さんは大学で何を専攻されていましたか? 心理学ですか。私は経済ですね」
なんて流れになったらもう発展のさせようもありません。終わりです。

そこで、会話の最初に使うネタは、事前に考えておきます。専門用語でこれを「オープナー」と言います。

鉄板のオープナーは以下の通り。

  • 写真よりかっこいいですね! びっくりしました!
  • 歩き方きれいですね! 姿勢いいんですか?
  • 服めっちゃ〇〇ですね! あったかそう/涼しそう/楽そう/気持ちよさそう……など
  • すみません、ペン貸してもらえませんか? ありがとうございます! これどこのペンですか? おすすめとかあります?

めちゃくちゃ浅いですね。でも浅いくらいがちょうどいいのです。
いきなり「家族構成は? 年収は? 持病は?」なんて聞かれたらドン引きしますから。
オープナーとなる会話は浅く、そこからどんどん深堀りして相手の過去や未来を引き出せたら勝ちなのです。

オープナーはできるだけはきはき、明るく話すのがコツです。
軽い話をヘビーな口調で言われてしまうと、相手が身構えるからですね。
「ちょっとしたあいさつの延長なんですけど~」のノリを保ち、さらっと聞いてみましょう。

そのうえで、相手のこだわりや価値観、美意識、過去の経験などへ話を進めていきましょう。
自分の話をちょこっと混ぜてもいいですが、基本は相手に話してもらうよう誘導するほうが自分も楽です。
そして、相手の価値観を聞きだして「自分と合いそう」と思ったら、連絡先を交換したらいいんじゃないでしょうか。

もちろん、相手が隙あらば俺語りしてくるタイプなら、こういった対応は不要です。
ただ、いまの30代以下って「俺俺俺俺俺仕事俺俺」みたいな人ってかなり減ってきていて、
どちらかというとお互い沈黙を貫いてしまうので……。

相手が話下手なら、こっちが上手になればいいだけ。
さっと口火を切ってあげましょう!

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この記事を書いた人

1987年生まれ。慶應義塾大学卒業後、外資メーカーで勤務してのち、独立。 婚活予備校「魔女のサバト」主催者のひとり。書籍『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門(イースト・プレス)』『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』(河出書房)など多数。

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