婚活予備校「魔女のサバト」の黒魔女・川崎貴子さんと、結婚相談所「ハピ婚相談所」主宰の大安ケイコさんに「意外と根深い、親の影響と婚活」をテーマに対談していただきました。全3回。
※対談は、2024年11月に行いました
川崎 婚活女子のサポートをしていると、苦戦しがちな女性には共通点があるなと感じることがあります。その一つに「親」の影響が大きいのではないか、というのがあります。結婚相談所をされている大安さんもお仕事柄、そう感じることありませんか?
大安 あります! あるどころか、かなり多いって印象です。
婚活に苦戦しがちな女性の母親に見られる傾向
川崎 ですよね。ちなみに、婚活に苦戦しがちな女性の親によくみられる言動で思い当たるものはありますか?
大安 共通パターンはありますね。親といっても、母親からの影響が大きいと感じます。例えば「あなたには結婚なんて無理よ」と、いう声掛けは、いわゆる毒親の典型的なケースですね。他には「結婚って苦労や我慢が大切なのよ」とか、一見すると娘を想ったアドバイスのように聞こえますが、実は呪いのような言葉です。
川崎 呪い・・・わかります。
大安 「お父さんとの結婚は失敗だった」とか、父親の悪口を言うのもありがちなパターンですね。無意識に娘を自分の側につけたい、味方にしたいって心理が働いているのでしょう。だから、悪気なく「呪い」のような言葉を聞かせちゃうのだ思います。ちなみに、私は母から「男って女を苦しませるものなのよ」とか、「うちは、(幸せな)結婚はできない家系だから覚えておきなさい」とか、よく言われて育ちました。
川崎 え〜っ そうなんですか!! それは呪力の高そうな(笑)大変でしたね。
大安 おかげで最初の結婚では苦労しました。今はおかげさまで、いい人と出会い、幸せな結婚ができていますが(笑) かつての私も含めて、ことあるごとに母親から「呪い」のような言葉を浴びて育ったせいで、知らぬ間に心理的に大きな壁や足枷ができていた、というのは想像に難くない現象ですね。
母親が娘に呪いをかけてしまう要因とは
川崎 なぜ、母親はそんな呪いをかけてしまうんでしょうか?
大安 一番は、母親自身が結婚生活に満たされていないからでしょうね。そういう親は毒親になりやすいんです。ただ、毒親になってしまった母親たちも、実は毒親に育てられていたというケースは珍しくないんです。昭和や平成の前半ごろまでは、今みたいにネットなんてありませんでしたから、母親自身が自分が毒親であることや無意識に娘に対して呪いの言葉を吐いていることに気づきずらい。母親的には、ただ、自分がされてきたことを、そのまま娘にしているだけって意識が強いのではないかと。結果、毒親の連鎖が延々と続いているのではないかと解釈しています。
川崎 確かに、情報がないと気づきにくいですよね。
大安 そうなんです。今は、ネットなどで情報に触れることができるので、あらかじめ気をつけることもできます。何を隠そう、私も娘には同じことをしたくない、しないようにしようと必死に意識して20歳まで育てました(笑)
川崎 その気持ち、わかります。私も娘が二人いるので。これは素朴な疑問なんですが、母親からすると、息子より娘の方が言いやすいってことはないですかね? 私は男の子を育てたことがないのであくまで想像ですが、異性の子どものことってわからないっていうか、共感できるイメージが湧きにくい気がするんです。その点、娘は女同士。わかってもらえるはずって思えるので、言いやすいのではないかと。結果、無意識にせよ、意識的にせよ、呪いのような言葉をかけてしまうところが多分にあると感じます。
大安 その通りだと思います。それこそ昭和は専業主婦が多かったですし、圧倒的に子どもの世話をしているのは母親でしたから、どうしても女の子の方に色々言っちゃうところがあると思います。

もしかしたら、私も当てはまる!?毒親育ちの女性の傾向
川崎 ここまで婚活に苦戦しがちな女性の親の傾向について伺ってきましたが、今度は主に母親から知らず知らずのうちに呪いの言葉をかけられてしまった女性(娘)の影響について考えてみたいと思います。
大安 はい
川崎 婚活サポートをしていると、大きく2タイプに分かれるな、と感じることが多いです。一つは、反発するタイプ。母親の言うことをきかないで、むしろ母親とは違う人生を歩もうと頑なに逆張りする感じ。まぁ、私がこのタイプですけど😅 もう一つは、真面目に受け止めちゃうタイプ。主に素直で真面目で優しい女性が多い気がします。優しいからこそ、母親の言うことを受け止めて、母親とその呪いを肯定してしまう。婚活予備校「魔女のサバト」(以下、魔女のサバト)では、後者のタイプの悩みの方が深いというか、なかなか呪いが解けない、解放されないように感じます。
大安 至極、同感です。残念なのは、どちらのタイプも幸せな結婚を掴みにくい傾向があるってことですね。娘にとっては、母親がモデルなんです。なんだかんだ母親のことは大好きだし、なんなら母親を幸せにしたいって考えちゃうところがあったりして。
川崎 わかります。それはひしひしと感じますね。
大安 あと、毒親育ちの女性の傾向としては、認められたい、受け入れてもらいたいって気持ちが人一倍強いところが見られますね。以前、いろいろあった末に無事、真剣交際に進んだ38歳の女性がいたのですが、真剣交際になったのにお相手のことを許せない!って言うんです。確かに、スムーズには進みませんでしたが結果的に選ばれたんだからよかったんじゃない?って言っちゃったんですよ。そうしたら、私のこと、分かってくれない!ってメールが来ました😅
川崎 大安さんも大変だったと思いますが、その勢いで「私を受け止めて!」と求められるお相手も大変ですよね。そもそも何もなくてもお相手が彼女の全てを受け止めること自体、難しいのに、子どもの頃からの満たされなかった想いまでとなると、ほぼ不可能。そうなると、毒親育ちの方って、せっかく真剣交際に進展しても、仮に結婚しても、その後も前途多難という傾向があるかもしれませんね。
大安 あると思います。実際、それで喧嘩になって離婚に至るパターン、すごく多いんです。
川崎 私もそれで一度離婚した経験があるので(笑)そうならないためにも、たくさんの依存先というか、相談先を持って、自分の状態を整えていくというか、制御する術を、婚活中の女性達には身につけていってほしいですね。
大安 私も経験者なのでわかりますが、毒親の影響って結構、根深いので。
川崎 はい(笑)そのためにも、うちの魔女のサバトのようなコミュニティや、大安さんのハピ婚相談所を賢く活用してほしいですね。次回は、毒親の影響で自己肯定感が下がってしまった女性たちがどうやったら影響を断ち切り、幸せな結婚に繋げられるのか、事例も含めて伺いたいと思います。
今回の対談ゲスト 大安ケイコさんのプロフィール

大安(たいあん)ケイコ
1968年東京生まれ。
毎日親から怒鳴られる生活の中で、「穏やかな家庭」に憧れるが自己否定の気持ちがなかなか拭えず11年間の婚活の日々を過ごす。
やっと結婚出来たと思ったらDV、モラハラの嵐で9ヶ月で離婚。
その後「本当に自分が安心安全自由を感じられる結婚をするには?」を探求し自己改革を実践。
その結果、離婚から3ヶ月で今の夫と出会い再婚、22年目。
娘は今年20歳に。
2006年から結婚相談所「ハピ婚相談所」を主宰し、親との関係に悩む方や自分に自信が持てない方を続々と成婚に導いている。
著書に「お母さんと自由になれば結婚できる。」など他4冊。
今回の対談を主催した魔女のサバト・川崎貴子のプロフィール



リントス代表。25歳のときに、働く女性のための人材コンサルティング会社を設立。
以来、一貫して「働く女性の成功・成長・幸せをサポート」する仕事に携わり、人材紹介事業や教育事業、女性活躍支援コンサルティング事業などを展開。
現在は、リントス代表、ベランダ株式会社取締役。著書に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』など。2児の母。

