婚活予備校「魔女のサバト」の黒魔女・川崎貴子さんと、結婚相談所「ハピ婚相談所」主宰の大安ケイコさんに「意外と根深い、親の影響と婚活」をテーマに対談していただきました。全3回。
※対談は、2024年11月に行いました
川崎 毒親からの影響を断ち切るには何が有効だとお考えですか?
大安 毒親育ちの方って、自分を責めがちな方が多いんです。放っておくと、私なんてダメとか、どうせ選ばれないとかなっちゃうんです。なので、自己肯定感より、まずは自己受容感を育むのが大切だと考えています。自分を肯定するというより、自分を受け入れるというイメージです。
自己肯定ではなく自己受容。自己受容感を育むコツ
川崎 自己受容を育むには、具体的にどのようなプロセスを踏めば良いのでしょうか?
大安 兵庫県から相談いただいた女性がいたのですが、ずっとお母様と二人っきりで、しかもお母様のお世話をしていて。でも、やっぱり結婚したいっておっしゃるので、自分の幸せを第一に考えようと提案しました。ただ、すぐに思考が切り替えられるわけでもないので、一緒に考えていこうということになりました。その際、自己受容感を育てるワークをやったのでご紹介しますね。
川崎 ぜひ、聞きたいです!
大安 まず、母親から言われたことを書き出します。次に、書き出したことを見ながら「これって本当?」と、自分に問いかけます。で、「これは私ではなく、母親の価値観だよね」と思ったら、その項目に「✖︎」をつけていきます。これを繰り返していくと、母親の価値観と自分の価値観を切り分けることができ、徐々に自分のことを受け入れられるようになっていきます。
川崎 自己受容感が高まるとどんな変化が生じるのでしょうか?

いい出会いを引き寄せる毛穴から出てくるハッピーオーラ
大安 多分、自己受容できている女性って魅力的なんでしょうね。エネルギーって自然に毛穴から出ちゃうものだと思うんです。私、愛されるのかしら? 大丈夫なのかな?って不安を抱えていれば、それが醸し出されてしまうし、逆にありのままの自分も悪くない、魅力的なところもあるって思っていれば、そういう雰囲気が生まれる。結果、幸せな結婚に結びついている人はたくさんいます。
川崎 確かに、いくら出さないようにしようと思っても、勝手に出ちゃうことってありますね。
大安 あと、「褒め褒め日記」をつけるのもおすすめです。毒親育ちの方って、夜、一人反省会やっていたりするんですよ。反省会だと、あれ、言わなきゃよかったとか、あの人、なんでこんなこと言うのかしらとか、自分の言動がこれでよかったのかなとか、さらに結構、母親に言われたことを気にしていたりして、反自己受容に傾いちゃうんです。なので、反省会の代わりに夜寝る前に今日もこれ頑張ったなとか、私偉かったなとか、良い点を3つ書き出すんです。私は、頑張ったことを振り返りながら、「私、大好き!」って思いながら寝ています😀 「私、今日も頑張ったな。偉いな」と自分を褒めてあげることが大切です。そうすると、毛穴から自分大好きオーラが出てきます。
川崎: 毛穴から、ですね(笑)素敵な方法ですね。
大安: そうすると、素敵な男性が出てきます。
川崎 ほんとそれ!出てくるんですよね。いい循環が生まれると思います。他にこれするといいよってことはありますか?
逐一、報告はN G 相談する相手の仕分けも重要
大安 前にもお話ししましたが、毒親育ちの方は認められたい意識がすごく強いので、婚活の内容とか、今、お付き合いしているお相手のこととか、逐一、報告しがちなんです。前に事例にあげた真剣交際に進展した彼女も、真剣交際になったから母親に報告していいですか?って聞かれて。
川崎 その時、なんてアドバイスされたんですか?
大安 プロポーズされるまでは秘密にしておきましょうとお伝えしました。すべてを報告してしまうと、「あなた、大丈夫なの?」とか言われかねません。ましてや、彼と喧嘩したんだなんて言っちゃうと、「やめときなさい、あなたを大事にしていないじゃない」なんて言い出しかねない。せっかく母親と距離をとっても、これでは意味がありません。
川崎 などほど。でも、それって母親に限らないかもしれませんね。ネガティブ過ぎる友人とかも気をつけたほうがいいかもしれませんね。
大安 友達も重要です。実は私も経験があるんですが、今の夫と1年くらい付き合った頃に独身の友人から「その後、彼氏とどうなっているの?」って聞かれたので、何気なく「付き合って1年だけど、まだプロポーズはされてない」って返したんです。そうしたら、「ろくな男じゃない。別れなさい」って言われたんですよ。「なんでそんなこと言うの!」って聞いたら、「一年経ってプロポーズしないなんてろくな男じゃない。遊ばれているからやめた方がいい」って。この時、この人には報告するのやめようと思ったんです。
川崎 いやー、問題は親だけじゃないんですね。まずは自分の人間関係から整理しないといけませんね。
大安 はい。報告したいのであれば、心から自分の幸せを願ってくれる、応援してくれる人だけに伝えることですね。
予防の「私メッセージ」で匂わせることも有効
川崎 前に依存する先、相談する先を持つことの大切さをお話ししましたが、相談する相手を吟味することも大切ですね。そこを間違えると元の木阿弥になっちゃうかもしれません。とはいえ、娘に執着しがちな母親にいきなり結婚が決まりました!なんて報告したら、母親がショックを受けて大変なことになりませんか?
大安 その場合は、予防の「私メッセージ」を使うことをお勧めしています。お相手がいる・いないとかではなく、「私ね、こっちで結婚する方向になりそう」みたいな感じで少しずつ自分の気持ちを匂わせる。最初は「何言っているの! 帰ってきなさい!」なんて言われるかもしれませんが、そこは受け流して少しずつ、気持ちを匂わせておくと、徐々に母親も娘はあっちで結婚するんだってことを受け止められるようになります。なので、事後報告だと発狂しそうな親の場合は、予防の「私メッセージ」を活用すると良いですよ。

幸せな結婚を引き寄せる心構え
川崎: 最後に、婚活中の女性たちにメッセージをお願いします。
大安 まず、幸せな結婚をしている先輩の話を聞いてみることです。また、自分を応援してくれる人に悩みを相談し、前向きなアドバイスをもらうのも良い方法です。そして、「相手に完璧を求めない」「自分のすべてを受け入れてもらおうとしない」という心構えを持つことですね。過去に婚活で苦労していた30代の女性がいたのですが、当初、彼女は完璧な相手を求めすぎていました。でも、「完璧でないと」という思い込みを手放したことで、「完璧じゃなくても一緒に成長できる人を探そう」と、視点を変えることができました。その結果、半年後には素敵な男性と婚約し、今ではお互いを支え合いながら幸せな家庭を築いています。
川崎 具体的な事例があると励みになりますね。
大安 はい。今回、事例で紹介させていただいた方々も、小さな一歩を積み重ねることで、大きな変化を起こし、幸せな結婚に至りました。皆さんも焦らず、着実に進んでいただければと思います。
川崎 参考になるお話、ありがとうございました。
今回の対談ゲスト 大安ケイコさんのプロフィール

大安(たいあん)ケイコ
1968年東京生まれ。
毎日親から怒鳴られる生活の中で、「穏やかな家庭」に憧れるが自己否定の気持ちがなかなか拭えず11年間の婚活の日々を過ごす。
やっと結婚出来たと思ったらDV、モラハラの嵐で9ヶ月で離婚。
その後「本当に自分が安心安全自由を感じられる結婚をするには?」を探求し自己改革を実践。
その結果、離婚から3ヶ月で今の夫と出会い再婚、22年目。
娘は今年20歳に。
2006年から結婚相談所「ハピ婚相談所」を主宰し、親との関係に悩む方や自分に自信が持てない方を続々と成婚に導いている。
著書に「お母さんと自由になれば結婚できる。」など他4冊。
今回の対談を主催した魔女のサバト・川崎貴子のプロフィール



リントス代表。25歳のときに、働く女性のための人材コンサルティング会社を設立。
以来、一貫して「働く女性の成功・成長・幸せをサポート」する仕事に携わり、人材紹介事業や教育事業、女性活躍支援コンサルティング事業などを展開。
現在は、リントス代表、ベランダ株式会社取締役。著書に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』など。2児の母。

