こんにちは。
婚活勉強会「魔女のサバト」主宰の川崎貴子です。
私は、婚活中だけじゃなく、「これから婚活をスタートする女性達」からも日常的に質問をいただいておるのですが、ここ最近増えたなーと思うのは、
「結婚しても苗字を変えたくないのですが、それって婚活に不利ですか?」
という女性達からのご相談。
なぜ改姓したくないかと問えば、
アイデンティティの問題、一人っ子だから、相手の家に嫁入りするようで嫌、今の苗字が気に入っている、女性だけが改正するのはおかしい、などなど理由は多岐に渡っています。ま、そもそもこの時代に、なんで女性だけが当たり前に改姓しなけりゃならないっちゅーねんって話なんですけどね。
私はなにも、
「そんな女性ニーズが、今、突然高まっている!」
というお話をしたいのではありません。家父長制がなくなり、共働きが当たり前で、介護も相続も実子に紐づけられる現代の結婚スタイルにおいて自然に増えゆく価値観だと思いますし、私自身が「自分の姓のまま結婚している女」であり、それをあちこちで言ってきたから、だからたまたま私の所にこのようなご質問が集まりやすいのだと思っています。でも、これから確実に増えるお悩みであろうとも同時に感じておりますです。はい。
日本は世界で唯一、法律で「強制的夫婦同姓」が定められている国です。よって、日本で婚姻するならばどちらかの姓に決めなければなりません。結果的に、現在結婚しているカップルがどちらの姓を選んでいるかと言えば、
〇男性の姓になった=96%
〇女性の姓になった= 4%
という「男性の方の姓を採用」が圧倒的な割合を占めています。よって、「結婚したら女性の姓に入る」のは、かなりなマイノリティなのです。
選択的夫婦別姓制度の導入を求める声も高まっておりますがなかなか前進が見られないし、数は圧倒的だし、という事で、「改姓したくない」と思う女性達が婚活に際して不安になるお気持ちはよーーーーく解ります。
中には、「財産があるわけでも名家でも無いのに自分の姓を通そうとするのはおかしい?」「婚活でそれを言うと変な女だと思われる?」という心配で婚活に身が入らない女性もおります。そこで、傲慢にも、
「法律は変えられないが、彼女達の気持ちを軽くすることはできるのでは?」
などと思って、今私はこれをしたためています。
〇4%の結婚事情
先ずは私の「自分の姓のまま結婚した物語」をば。
私は2度結婚していて、1度目は元夫の姓に入りました。経営者同士、長い事友人同士だった人との結婚で、「働く女性として夫の姓に変わる事に疑問を持たなかったのか?」と問われれば、当時の私達は「それどころじゃなかった」というのが正直な所です。私達は、どっちの姓にするかの手前の「入籍するか否か」で躓いていて、「どうしても入籍しなければならないのか?それは必要なのか?」「入籍したら嫁業務とかしなければならないのか?」にばかり気を取られていた為、考えもしなかったというのが正しいです。
結果的に子供が出来、子供の為には入籍した方がいいのではないかという結論に至り、そうと決まればという流れで、当時元夫姓に自動的に入ったような気がしております。
で、結果的に1年ぐらいで離婚する訳ですが、結婚して姓を変えて、離婚して姓を元に戻すという手続きがですね、私が経営者のせい(手続き書類が多かった)もありましたが本当にめんどくさかったんですよ!!!!!!
ですから、2度目の結婚は
「今度こそ入籍はしないぞ!」
と魂に刻んでおったのです。事実婚、もしくは、ずっと恋愛関係がいいなぁ、などと。
しかし、当時ダンサーだった現夫は聞いてきました。
なぜ籍を入れられないのかと。私は正直に言いました。
「苗字変わるのめんどくさいからだよ」
と。そして、
「私はもう、川崎貴子で生きていくと決めたのだ!」
と、続けた記憶があります。
生真面目な性格の夫は「同棲=結婚」「結婚=同姓」という頑なな思い込みがあり、事実婚は却下。ならば~、と折れたのが夫だったというだけのお話です。結局私は「めんどくさい」を理由に一人っ子だった夫を「川崎姓」にし、夫婦別姓も無いから今も「そのまま結婚している」という訳です。なんの参考にもならないと思いますが、そんな理由で4%の属性に入った女がいる、という事実に安心してくれる女性が一人でも居れば幸いです。
〇夫改姓のデメリット
私が元夫の姓だったのは1年ぐらいでしたし、2度目は自分の姓で結婚したので、川崎→〇〇→川崎の手間だけだったのですが、改姓した夫は手間以外に思う所がいくつかあったようです。
何せ数的マイノリティですから、夫が私の姓に入ってからと言うもの「これがデメリットか!」というものがいくつかありました。たかが妻の姓を選択しただけなのに、「男性が変わるとは何か理由があるのかも?」と世間は思うようなんですね。これは事前に私の知人(奥さんの姓に入った男性)から聞いていたのですが、やっぱりあった!と確かめ算案件だったのでシェアしたいと思います。
⓵妻が高額所得者と勘違いされる(女性の姓に入るという事はそういう事だと勘違いされます。私は当時、会社つぶしそうな時期でしたが…)
②婿養子と間違われる(女性の実家が資産家や名家と勘違いされたり、婿養子に入ったのだと間違えられます。同時に、上手いことやったな―的な。野心家さんだねーと言われたりするらしい)
③邪推される(なんで自分の名前を捨てたの?実家と仲が悪いの?奥さんに頭が上がらないの?などなど)
手続きが面倒くさいとか、アイデンティティの問題などは男女ともに改姓した側が被る不利益ですが、上記3つは、「女性が男性の姓に改姓する」が今の日本であまりにもマジョリティ故に発生するデメリットだと言えます。また、⓵~③が何回も繰り返されると、リベラルだった筈の夫達が「苗字とアイデンティティ」に関して悩み始める、という報告がいくつもなされております。たまたま我が家はそうでもありませんでしたが、前述した知人のあだ名は「婿養子」でしたからね。なかなか厳しい現実があります。
「結婚したら男性の姓に変わる」がこれだけのパーセンテージを占めるのは、「そういうものだから」「日本の伝統だから」と信じて疑わない男女ならびに親族がほとんどであるという事を示しており、婚活市場においても「結婚して女性の姓に入るなんて考えたこともない」という男性が大多数です。そのような事情から、「改姓してくれる男性む!」を掲げて婚活することが有利か不利かと問われれば、「数的には不利」と言わざるを得ません。
〇改姓できる男性とは?
とはいえ、夫の姓になった女性達だって、なりたくて改姓した派と、仕方なく改姓した派がいます。
それを解決するのは「選択的夫婦別姓」なんですけどね。今が過渡期なのか、それとも永遠に日本の課題であり続けるのか私には分かりかねますが、この選択的夫婦別姓を推し進めようと、以前から声を上げている有名人と言えば、サイボーズの青野慶久社長です。
彼はそれこそ「苗字を変えたくない」という勤め人の奥さんの要望に「じゃあ、自分が改姓しよう!」とチャレンジした人で、
「自分がやってみて、結婚したほとんどの女性達がこんなにめんどうな事をやっていたのか、と気づいた」
と、選択的夫婦別姓について裁判を起こしたり、世の中に問題定義しています。また、彼とは過去に何度か対談させていただいたのですが、世に蔓延るなんちゃってイクメンじゃなく、上場企業の社長でありながら育休を3回取り、家事育児を主体的に取り組んでいる本物の両立パパなのであります。
〇改姓に関して話し合う事はリトマス試験紙になる
「男性の改姓を希望する」は、数的には不利でも、婚活においてこの話題は有利な面もあると私は思っています。何故なら、青野さんみたいなチャレンジ精神あふれる、妻の気持ちに配慮できる、家事育児に主体的に取り組む男性達をあぶりだすリトマス試験紙だからです。
婚活市場にも恋愛市場にも、似非リベラル、似非男女平等な男性はたくさんおります。
「私は自分の姓を変えたくないと思っているのですがあなたはどうですか?」
「女性だけが改姓するのに疑問があるのですがあなたはどうですか?」
と、お相手に問うた場合、
「めんどくさい女」
と思われたらそれはそれ。当たり前な事はスルーする「思考停止な男性」とご縁を紡いでも、改姓を希望する女性達とはそもそも合わない。
また、喜んで改姓してくれる男性が良いとか悪いとかでは無くて、少なくとも、
「確かに、女性だけが変わるのっておかしいよね」
と、話し合いの俎上に先ずは乗ってくれるかどうかでだいぶスクリーニングできるのではないでしょうか?
結婚生活は話し合いの連続ですが、それが出来うるお相手がどうかが見極められるのは非常に効率の良い問題定義になるのではと思います。
ただし、「私は絶対に改姓したくない!」という事であれば「改姓良き!」という男性を見つけなければならないので、結婚相談所でもアプリでもそこにチェックしている男性から選ぶのが良いでしょう。もっと幅広く見つけたい女性達に置かれましては、ご自身もお相手の考えや事情を聞き、思考停止にならず歩み寄り、両者の落としどころはどこなのか?と言う話し合いが必要かと思います。ま、「めんどくさいから」で強行突破した私に言われたくは無いと思いますが、すり合わせや話し合いができないという事だと別の意味で結婚は厳しいかと存じます。
婚活はある意味、様々な価値観の男性と出会える旅です。
男性を十把一絡げにせず、ご自身だけの素敵なパートナー探しを楽しんでいただきたいと思います。
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