結婚はしてもしなくてもいいものです。
そして、私は3回結婚しました。
2回も離婚して、さらに結婚した……なんて話をすると、
「どうしてそこまでして、結婚したいの?」という反応をいただくことが多くあります。
ここまで結婚しておきながらなんですが、私は「絶対にみんな、結婚したほうがいいよ」とは思いませんし、
何なら結婚に全く向いていない人もいます。
結婚がオプションになった時代だからこそ、わざわざ結婚する意義を慎重に検討したほうがいいと思っています。
結婚する最大のメリットは「経済的安定」である
身も蓋もありませんが、結婚の最大のメリットは経済的安定です。
これは、女性が男性へ、経済的な意味で依存することだけを意味していません。
結婚するということは「いざとなったら働ける人間が2人になる」という意味です。
相手が倒れても自分がいますし、自分が倒れても相手がいます。
お互いに元気で共働きなら、年収は最大で2倍以上となります。
これが結婚する最大のメリットです。
癒やしとか、愛とか、そういうメンタル面での保証は、結婚では手に入りません。
それに、癒やしも愛も、同居や遠距離恋愛で手に入ります。
けれども、法律の拘束力で経済的安定を守れるのは、結婚した夫婦だけです。
夫婦は経済的に互いに助け合う義務があると、民法752条に定められています。
恋愛はいくらでもできるのに、愛している人といっしょにいることへ制限はないのに、
わざわざ婚姻制度を使って結婚する意味って何? となったら、その答えは「経済的な安定」なのです。
経済的な安定には「お互いのキャリアでバランスを取る」ケースが含まれている
たとえば、起業家やフリーランスの人間のパートナーが、公務員であるケースはよくあります。
これは、片方がリスクを取ったキャリアを選ぶなら、もう片方は安定志向でいきたい……という意思があるからです。
逆に、公務員の方は「年収がうなぎのぼりになる可能性」をパートナーへ託せます。
また、年収200万の人が、年収300万の人と結婚できれば、世帯年収は500万円になります。
貯金が不可能な暮らしから「少しは貯めていけるかも」という暮らしに変わるわけです。
あるいは年収1,000万の女性が、年収400万の男性と結婚すると、激務に追われている女性の代わりに、男性が料理や掃除をやってくれるかもしれません。
それに、世帯年収1,000万円と、世帯年収1,400万円は圧倒的に「日々感じる裕福度」が変わります。
いくつか例をあげたとおり、「結婚するなら相手はお金持ちじゃないと意味がない」というわけでもありません。
結婚が与えてくれるのは年収ではなく「もうひとり、経済を担ってくれる人がいるという安定感」だからです。
専業主婦や専業主夫がいてくれれば、自分の年収が伸びる
こう考えると、専業主婦・専業主夫と結婚することには意味がない! と誤解しがちなのですが、
専業で家事育児を担当してくれるパートナーがいれば、もう片方は仕事へ専念できます。
たとえば、私は1日に12~15時間働きたい人間ですが、こうなると家事育児がおろそかになりがち。
希望を叶えたいなら、専業主夫にお願いするしかありません。
さらにいえば、毎日忙しく働く人間には、老後の生活設計や子どもの学資を
ゆっくり考える暇がありません。
ここを担ってくれるのが専業主婦・専業主夫です。
専業主夫・専業主夫だって立派な家計の担い手なのです。
仕事をしていると「個人でできる仕事には限界がある」と、何度も思い知ります。
より成果を出したければ、いつだってチームワークが必要なのです。
家計においてもそれは同じで、一人で老後の心配をしたり、体を壊したらどうしようと考えるよりも、夫婦で助け合ったほうが早い。
なぜなら、仕事と同じく夫婦は助け合う義務を負う、同じプロジェクトの責任者だからです。
「結婚しないの?」という世間のプレッシャーと戦わなくて済む
また、「結婚しろというプレッシャーがなくなる」のは、大きな意義です。
もちろん、いまどき結婚しろと圧をかけてくる人間なんて時代遅れなわけですが、
時代遅れな人間がこの世にいる限りは、無駄なプレッシャーを感じさせられます。
そして、プレッシャーと戦うには、それなりの胆力が必要です。
最初は「結婚をするかしないかは、私が決めることだよ!」とプリプリ怒る元気があっても、
何度も何度も圧にさらされて「もう……結婚しようかな」と心折れる方をたくさん見てきました。
世間体に従う必要はないのですが、世間体へあえて逆らうなら根性が必要です。
正直、「結婚したいかしたくないか、わからない」程度のマインドで非婚を選ぶと、結構しんどいです。
少なくとも、私が最初に結婚したかった理由には「世間と戦いたくない」という気持ちがありました。
すでに「毒親育ちで、年に1度も帰省しない」とか、「結婚式に親を呼びたくない」「外資勤務」とか
当時にしてはだいぶ尖った選択肢を取ることが確定していたので、その他は世間体に従いたかったのです。
結婚は「絶対に負けられない博打」ではない
それに、仮に結婚したとしても、もうダメだなと思ったら離婚できます。
離婚しても死ぬわけじゃありません。
誰しも離婚するつもりで結婚はしないと思いますが、「離婚なんてありえない、絶対にしない前提じゃないと結婚したくない」と思えば思うほど、相手を選ぶ目が厳しくなってしまいます。
シンデレラだって、ラプンツェルだって離婚しているかもしれないし。
ダイアナ妃をはじめとする現実のお姫様たちは、実際に離婚しているし。
逆に、離婚してから最高の出会いがあるケースだってあるわけです。
離婚に悩む女性のSNSアカウントがあまりにも多いので、離婚は大変だ! と思いがちですが、
離婚が大変なのは多額の資産や親権を奪い合うケースであり、そんなに奪うもの、奪われるものがない庶民のわれわれには無関係なのです。
最近は共働きも多いから「離婚したら無職になっちゃう!」という方も少ないですよね。
子どもを産んだら、確かにそこからは、戻れぬ道でしょう。
しかし、その前に結婚をためらう理由は、そこまでないかな……と思います。
「ちょっと結婚してみたい」でもいいと思うのです。
よかったら、どうですか。結婚にちょっと、本気出してみるというのは。