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今も昔も結婚したい女性の悩みが尽きない? 婚活今昔物語【川崎貴子✖︎南綾子①】

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婚活予備校「魔女のサバト」の黒魔女・川崎貴子さんと小説『婚活1000本ノック』の著者・南綾子さんに、「婚活の荒波にも 簡単にへこたれない 自分のつくり方」をテーマに対談していただきました。全3回。

※対談は、2024年8月に行いました

目次

小説『婚活1000本ノック』誕生物語

川崎 南さんの著書『婚活1000本ノック』は、確か10年くらい前に書かれたかと思います。当時は今みたいな婚活ブームはなかったと思うのですが、どんなきっかけで婚活小説を書くことになったんですか?

南 実は、『婚活1000本ノック』に辿り着くまでには長い経緯がありまして。そもそものきっかけは、お見合い小説企画が持ち上がったことでした。それで、編集者さんが合コンを開催してくれて、これが思いの外、面白かったのですが、結局、企画自体は頓挫しちゃったんです。

川崎 一旦、頓挫した企画が、どういう経緯で復活したんですか? 気になります。

南 東日本大震災なんです。チャリティーで作家仲間と同人誌を作ろうって話になったんです。作家仲間と作るので、自分だけ面白くない作品だと恥ずかしいなって、何を書こうか考えていた時、以前、頓挫したお見合い小説のことを思い出したんです。自分を主人公にしてエッセイみたいな小説にしたらいけるかも? エッセイは以前から書いていたので、これなら失敗しないだろうって算段もあって生まれたのが『ばばあのば』という小説を書きました。50代になった“ばばあのわたし”が、未来からやってきて、結婚しろとせっつく内容だったのですが、評判が良かったんです。そうしたら、編集者さんが婚活小説書きましょう!って言ってくれて。で、どんな内容にしようかなと考えていた時、思いついたのが・・・

川崎 もしかして、幽霊の山田というキャラクタですか? この小説の中でいい味出していましたよね?

南 はい。いくら私を主人公にした婚活小説とはいえ、さすがに幽霊のバディはいませんでしたけど、小説にするならファスタスティックな要素も必要かなとw まぁ、そんなこんなで私の婚活がスタートしたわけです。

川崎まさに婚活の先駆けですよね?

南 その時は、のちに婚活ブームが来るとは思ってもいませんでした。ただ、当時もコンパブームみたいなものはあったと思います。

川崎 だとしても、その流れをキャッチできているところがすごい! 目の付け所がさすがです。ってことは、南さん自身が結婚を意識していたわけではなかった感じですか?

南 いえ。当時、私もお年頃だったんで、結婚を意識し始めていたことも大きかったと思います。

南さんの婚活体験をふんだんに盛り込んだ小説『婚活1000本ノック』(新潮社)。幽霊の山田の毒舌(?)が、刺さると評判w

今も昔も変わらない「いい人がいない」という深い悩み

川崎 当時は今みたいに婚活アプリとかなかったわけですよね? 具体的にどんな活動をされていたんですか?

南 当時から結婚相談所はありました。結局、登録しませんでしたが。私が利用したのは、婚活サイトとか、出会いを目的にした立ち飲みバーとか、合コン、お見合いパーティーですね。私の場合、普通の婚活に加え、小説を書くって目的もあったので、結構、精力的に活動していたと思います。なんだかんだ30回以上は、いろんなものに参加したんじゃないかな。

川崎 30回以上! 結構、頑張りましたね。ちなみに、南さんがやってみて、これは使えた、逆にイマイチだったツールってありますか?

南 う〜ん、これは使えたってツールはなかったかも。というのも、当時は今みたいに婚活にあまり人が参入していないというか、当たり前な感じがなくて。特に男性は消極的な印象でしたね。だから、どのツールもイマイチでした。傾向としては、合コンとか、立ち飲みバーみたいなところに行くと、話のできる男性と出会えるけど、遊び人率が高かったし、婚活サイトとかお見合いパーティーは、ぶっちゃけ変な人しかいないっていう。

川崎 当時に比べたら、今はツールも婚活人口も増えましたが、婚活でぶつかる悩みは同じなんですね。いい人がいないっていう。

南 あはは。単純な比較はできないですが、もしかすると、今よりもっと変な男性しか参入していなかったかもです。特に婚活サイトは厳しかったなぁ。

川崎 当時に比べたら、本気で結婚したい男性も増えてはいるとは思います。でも、やっぱり男性の多くは「いい人がいたら」くらいの意識。それに対して、女性は出産のリミットがあることもあって、「半年後とか1年以内には結婚したい」と、精力的に活動している方が多いので、男性と女性の結婚への熱量に大きな乖離があるのが現状です。

南 婚活が当たり前になってきている今でもそうなんですね。当時もひどかったですよ。少ないながらも婚活している男性は「いい人がいれば」というのが主流。そこにどうしたって彼女ができないだろうという「にっちもさっちもいかない系」の男性が加わるって感じで、本当にいい人がいなかった。

記憶に爪痕を残したあり得ない婚活エピソード

川崎 それは辛いw ちなみに、印象に残っている婚活エピソードはありますか?

南 説明するとあまり面白くなくなりそうですが・・・。印象に残っているものの一つに、すっぽかされたことがあります。なんか風邪をひいたとかで。

川崎 あらら。

南 後日、ガラガラの声で電話をかけてきて、「この間すいませんでした。改めて(デートに)行きましょう」って誘われて、食事をご馳走してくれました。で、お相手の方がアートに興味があるってことで、次は写真展に行きましょうってことになって。

川崎 なんか、いい展開じゃないですか! 写真展デートなんておしゃれだし。

南 それがですね・・・。恵比寿で写真展を見て、その時の入場料も払ってくれて。で、近くのお店で食事して、そこまでは普通だったんです。問題はお会計の時。突然、「ここの勘定を払ってもらっていいですか?」って言われたんです。私、面と向かってそんなこと言われたのが初めてで正直、めんくらっちゃって。私の悪い癖なんですけど、びっくりしても動揺しても、ポーカーフェイスをきどっちゃうところがあるんです。だから「もちろんです!」みたいな感じで、何事もなかったみたいに払ったんです。心の中は、かなりモヤモヤしていましたけど。そうしたら、それが好印象だったみたいで。

川崎 途中までいい流れだっただけに、「???」ってモヤモヤしますよね。

南 この話、これで終わりではなくて、後日談があるんです。「いろんな人とお会いしたんですけど、南さんと一緒にいるのがとっても居心地がいいと思いました」みたいなL I N Eが来たんです。「お会計も、だいたいみんなびっくりするのに、快く払っていただいて、いい人だなと思いました」って。そこで終わればよかったんですけど、さらに文章が続きまして・・・。「もっと距離を近づけたいと思いますので、次回は家の近く、ご都合のいい場所でホテルを取りますので一晩泊まれませんか?」って宿泊予約みたいな展開になって。もうびっくりしちゃって、単刀直入に「それって。交際とかの話の前に体の関係を持ちたいっていう意味ですか?」って聞いたんです。

川崎 で、相手の返答は?

南 いきなりブロックされました。えーっ、私の質問に答えてもくれないの?って思いましたけどね。結局、お誘いの意図も分からずじまいで、一体何だったの?ってさらにモヤモヤを募らせることになりました。

川崎 意図、分からないですよね。展開的に、遊び目的ってわけでもなさそうな気もしますし・・・

南 実は、この人の前にも同じようなこと言われた経験があって。食事して、帰り際に「すごい真剣に考えているんで、南さんも真剣に考えてください。次は泊まれませんか?」って。

川崎 それでO Kする人がいると考えているのかと思うと、ため息しか出ませんね。婚活予備校「魔女のサバト」(以下、サバト)の生徒から相談受ける度に、なんで(男性たちが)失敗を繰り返すのか、学ばないのか、本当によくわからなくなります。

南 同感です。そんな経緯もあって、その人のことはすごい印象に残ってます。

話が上手い営業系と会話を重視しないエンジニア系

川崎 その方は南さんの記憶に爪痕を残したってわけですね。作家という職業柄、言葉への意識も高いんじゃないかと思うのですが、これはないなというやり取りはありますか?

南 仕事柄、言葉とか、やり取りへの意識は高かったかもしれませんね。実際、婚活中も「なんでそうなるの?」ってことは少なくなくて、文字のやり取りでつまづく方とは、リアルに会わないようにしていました。時間の無駄なんで。

川崎 どんなケースがありましたか?

南 例えば、質問してもそれに答えないとか。お休みの日は何しているんですか?くらいの質問にも答えられないってどうなの?って。LINEとかのやり取りもろくに成立しないのに、会って盛り上がる気がしない。

川崎 信じられないですけど、いるんですよね。やり取りに関する相談も結構、受けますし。でも、そんな人に限って、実は結構ちゃんとした会社に勤めていたりするから、驚きです。大きなお世話ですけど、ちゃんと仕事できているのかなって心配になります。

南 あはは。特に理系男子にはその傾向が強い気がしていました。でも、まともな人に絞ろうと思うと、だいたい理系とか、エンジニア系になっちゃうことが多くて。会って話しても、今日暑いねくらいしか話さないし、会話を重視していないというか、ものの考え方とか、全然違うっていうか、とにかく噛み合わない。

川崎 話下手でも、せめて尊敬できるところがあれば、まだいいんですけどね。あまりにも接点がないとか、あまりにも違う方を向いてるとかだと、婚活的には難しいかもしれませんね。

南 かといって、話が上手い営業系も嫌なんですよね。言っていることと、思っていることが違う気がして、胡散臭いというか、信用できない。実際、本当に言っていることと後から聞く話が全然違うから。

川崎 あはは。いい人に見せるのが仕事ですからね、営業は。合コンとか行くと、そういうタイプが多いから、みなさん、騙されないように気をつけて!

南 そこを攻略して付き合うこともできるかもしれないけど、効率が悪いですよね。その点、エンジニア系の方は、攻略が簡単だったりするので、悩ましいです。

川崎 営業系の人が行くのがキャバクラで、エンジニア系人が行くのが風俗って聞いたことがあるんですけど、南さんの体験談を聞いていて、初めて合点がいきました。営業系の人はくどけるところにいて、エンジニア系の人はマグロみたいな。中央はいないんですかね? 営業とエンジニアって対局なので。

南 身も蓋もない話になっちゃいますけど、結局、真ん中は、学生時代とか、社会人になって早々に青田買いされているから、婚活市場には本当に少数しかいない気がしますね。たまたま結婚とかに至らなかった中央系がすごくわずかに残っているけど、そういう人の椅子があくのって一瞬だから、なかなか難しいですよね。となると、エンジニア系も候補に入れていかないとならないというか、もはや、(エンジニア系の)いいところを見出していくしか、婚活の成功ってないのかな? ぐらいに思っています、今は。

今回の対談ゲスト 南綾子さんのプロフィール

南綾子さん
1981年愛知県名古屋市生れ。 2005年「夏がおわる」で第4回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。 おもな著作に『ほしいあいたいすきいれて』『ベイビィ、ワンモアタイム』『わたしの好きなおじさん』『すべてわたしがやりました』など。 今後の人生の目標は、カップ焼きそばの頻度を月三以下に抑えること。
写真:©新潮社写真部

今回の対談を主催した 魔女のサバト 川崎貴子のプロフィー

リントス代表。25歳のときに、働く女性のための人材コンサルティング会社を設立。

以来、一貫して「働く女性の成功・成長・幸せをサポート」する仕事に携わり、人材紹介事業や教育事業、女性活躍支援コンサルティング事業などを展開。

現在は、リントス代表、ベランダ株式会社取締役。著書に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』など。2児の母。

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この記事を書いた人

「魔女のテラス」編集部です。私たちは女性の結婚を応援するメディア「魔女のテラス」を運営しています。代表3名の共著『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』(河出書房)を、ぜひご覧ください。

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