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婚活を成功に導く意識とは?【川崎貴子✖︎南綾子②】

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婚活予備校「魔女のサバト」の黒魔女・川崎貴子さんと小説『婚活1000本ノック』の著者・南綾子さんに、「婚活の荒波にも 簡単にへこたれない 自分のつくり方」をテーマに対談していただきました。全3回。

※対談は、2024年8月に行いました

目次

エンジニア系は穴場? 候補者に浮上させるコツとは

川崎 確かに、エンジニア系って穴場ではあるんですよね。女性慣れしてない自分を無理に偽らず正直で、自分のやりたいことを真っ直ぐにやっている感じだから、結婚相手としては決して悪くはない。ただ、婚活ってコミュニケーションがすごく重要なので、初デートとか2回目のデートまでで自分を印象付けなきゃならないところがある。要はプレゼン的なところが下手な人が多いなって、(サバトの)生徒たちの話を聞いて、思います。

南 その通りだと思います。

川崎 そうなると、やっぱり彼らの良さって初デートでは、なかなかわからないんじゃないかと思うんですよね。

南 そうなんですよ〜。なのに、本当に何のアピールもしてこないんで、時間だけがいたずらに過ぎるみたいになっちゃう。こうなったら、女性の側が「いいところを探す」「自分から発掘する」くらいの気持ちで臨まないと、難しいかと。でも、婚活ってそういうものなのかもしれませんね。

川崎 打ち上げ花火みたいなプレゼンができないのだとしたら、何回ぐらいデートを重ねたら、その人たちの良さがじわじわわかってくるものなんですかね?

南 回数の問題もあるとは思いますが、女性側の意識の問題の方が大きいのではないかと。婚活に恋愛感情みたいなのを追い求めると、『婚活1000本ノック』の私のように、いつまでも婚活界隈をぐるぐるするだけになっちゃう。こと婚活においては、一緒にいて楽しいとか、自分の感情が高まるかどうかを、判断基準にしてはいけないってことなのだと思います。婚活って結婚することが目的だから、婚活する前にそもそも本当に結婚したいのかどうかを考えるべき。それで、本気で結婚したいって結論になったのなら、今度はどういう結婚したいかを考えて、目の前の人がそれを叶えてくれるのかどうかっていう実利的な見方をしていくのが、成功率が高くなるコツなんじゃないですかね。恋愛感情とか、ワクワクするかどうかを基準に入れちゃうと、うまくいかない。結果、遊び人の営業系に遊ばれたりとか、もう嫌なことばっかり起こっちゃう。

川崎 わかります。私たちが主宰しているサバトでも、恋愛がしたいのか、結婚がしたいのかをはっきりさせる授業をやっています。

南 恋愛と結婚は違うって、頭ではわかっているけど、受け入れられない人はいっぱいいるんじゃないですかね。何を隠そう、私も受け入れられなかったから、結婚しなかったわけで。でも、そこは受けいれないと、結婚は成功しないと思いますね。

恋愛と結婚は根本的に違うもの!?

川崎 そうですね。恋愛は不安定を楽しむところが多分にあって、結婚は二人で究極に安定するステージなので、目的もフェーズも全く異なるもの。でも、私たちはドラマなどでロマンティックイデオロギーに染められているところがあると思うんですよね。

南 しかも、ドラマだけでなく、リアルに人からも聞いちゃったりもする。何万分の一かの奇跡で、すごく好きな人と巡り合って結婚したみたいなストーリーが案外、身近にも発生したりする。友達のそんな話を聞いちゃうと、全然好きじゃない人と見合いしている私って、一体何してるんだろう? って、また迷走することになる。

川崎 迷走しちゃいますよね。ただ、恋愛結婚した既婚者たちが必ずしも幸せな結婚生活を継続しているとは限らないのが味噌でして。実際、離婚しているケースは多いのが現実。かくいう私もバツイチですし。

南 そうなんですね。

川崎 離婚に至っていなくても、夫に恋愛感情なんか1ミリも抱いてないわけですよ。恋愛中のときめきなんて、せいぜい3年くらいで消えちゃうものですし、結婚して4年も経てば、家族になっちゃうわけで。だから、いいやつだなぁとか、誠実だなぁとか、この人なら信用できるなぁとか、南さんがおっしゃっていたように、「こういう結婚生活を送りたい」という価値観を基準にこの人だったら思い描く結婚生活が送れるかもって思える相手をを選べるといいんですけどね。それでも、やっぱり3年でいいからドキドキしたいって気持ちもわかりますが・・・。

南 わかります。

川崎 結構、結婚するってエネルギーいることじゃないですか。恋愛に酔ってないと、山とか谷とかを乗り越えられないなみたいなところもすごくよくわかるのですが、婚活でいい人見つけていく人って割り切っているところがあって。

南 私の周りでもそうでした。

逃した魚は大きい?

川崎 逆に、この人はいい男性だったなぁという人いますか? あれはちょっと逃して惜しかったな、みたいな。

南 いますよ。『婚活1000本ノック』を執筆することが決まって最初に参加したお見合いパーティーで会った人です。お見合いパーティーの最後に会話した方で、確か、大手企業にお勤めでした。妹さんの話とか、サッカーの本田選手の試合を見に行った話とか、海外に行った話とか、話題も豊富でしたし、普通というか、ちゃんとしている印象でした。ただ、その方がシャツのボタンを開けて、変なネックレスをしていたんです。それが、どうにも気になってしまって。それで、パーティーの最後に気に入った方の番号を書くとき、その方の番号を書かなかったんです。

川崎 それで、その方とは?

南 それきりです。今、振り返ってみても、その方が一番良かったなって思います。

川崎 もったいない。

南 ですよね。あの日は、取材目的のお試し感覚で参加していたので、「いい人がいたら」という意識が薄かったんですよ。それと、徹夜で仕事をして、そのまま寝ずに参加したので、寝不足で判断力が鈍っていたのも良くなかった。寝不足で婚活したらダメですねw 散々、変な人ばっかりだったって言いましたが、その人だけはまともだったなと思います。なのに、それをふわって逃しちゃいました。

川崎 婚活中の女性たちには、ふわって逃さないでほしいですね。いいなと思う人がいたら、せめて連絡先くらいは聞いておいて欲しい。

南 ふわって逃さないためにも、ちゃんと。結婚するという心づもりで婚活することが大事だと思います。その時の私は、不純な動機で参加していたので。

川崎 同感です。婚活市場には、確かに癖が強かったり、変な人だったり、結婚に向かない男性もたくさんいるんですけど、同時に、運命のお相手候補も案外、いるなって思います。

南 そうかもしれませんね。

最近の婚活男子の思考とは?

川崎 余談なんですけど、サバト以外に、「キャリ婚」という婚活サイトにも携わっていまして。あくまで働く女性のための婚活サイトなので、男性会員は登録無料で、女性会員が有料なんです。男性は無料で登録できる分、誰でもO Kというわけではなくて、こちらで面談して登録の可否を判断しています。立ち上げ当時は私もなん百人と登録希望の男性と面談したのですが、なんでこんないい男性が余っていたの? どうしてこの人が独身なの?って思う方が思いの外、多くて。

南 そうなんですか!

川崎 たぶん、男性会員は無料っていうところに面白いって思い登録を希望している方が多かったので、理系男子も含めて、これまでの婚活市場にいなかった男性が来たって可能性もあるかとは思います。でも、そんな彼らでさえ、婚活女子の多くは選ばない可能性が高い。

南 わかります。いい人というか、そういう方たちは、すり抜けていきがちで、なんか、引っかからないんですよね。

川崎 そうなんです。で、どうしてこんなすれ違いが起こるのか知りたくて彼らに聞いてみたんです。なんで彼女と別れたの? 結婚に至らなかったの? どうして「キャリ婚」に登録しようと思ったの?って。そうしたら、九割九分が同じこと言ったんです。

南 なんて?

川崎 働く女性のための婚活サイトなら、感情的にならずに話し合いができる女性と出会える気がしたからと。別にキャリアの女性のサラリーを狙っているわけではなく、事実、仕事でも、N P Oのような社会活動でも、一向に構わないと。ただ、社会で活動している女性の方が、尊敬できるし、例えば喧嘩になった時に、冷静に話し合えるんじゃないかと思ってきましたと、口を揃えるんです。

南 そういう感覚の男性、悪くないですね。

川崎 まぁ、どれだけ女性は感情的だと思われているんだ、って話もありますがw あくまで彼らが本気で言っている前提ですが、だとすると、一昔前の料理ができるとか、女子力とか、そういうことではなく、ビジネス的な気遣いができるとか、論理的なやり取りができるとか、仕事で普通にやっているスキルも、結婚を考える男性には魅力の一つなのではないかと。

婚活市場でモテるのは、いいこと? それとも・・・

南 そうだといいのですが・・・。見ている限り、恋愛上手な女の人って、感情的な人でもあるような気もします。一方、男性とちゃんと話ができる女性って、友達にはなれるけど、恋愛対象にはならないケースが多いような・・・。実際、男性と一気に距離を縮められる女性って、感情の起伏が激しい人で、結局、男の人ってそっちの方が楽だから付き合っているというか、気がついたら恋人同士になっているわけですよね、たぶん。男性からすると、感情的な女性って、私たち女性が口の上手い営業マンに騙されるみたいに、その方が楽だからって背景と同じような気もしますね。

川崎 確かに、そういう側面はあると思います。でも、感情的なモテる女性って、闇雲に感情を爆発させているのではなく、ちゃんと制御して使っているのでは? と思います。

南 なるほど。ふと、思い出したのですが、大企業に勤めている知り合いの男性が、結婚相談所に登録したんですけど、彼も、女性の年収はあてにしていないタイプ。まぁ、それが男らしさの一つだって勘違いしている感は否めないんですが・・・。で、登録時にお相手の年収の下限を「0」にしたらしいんです。

川崎 どうなりましたか?

南 そうしたら、彼の経済力目当ての人がバーって来たそうで、会う人、会う人、「家買えますか?」「実家の近所に家買いたいんですけど、できますか?」「専業主婦希望ですが、お財布は預けて欲しい」みたいなことを言ってきて、うんざりしたって話していて。なのに、いまだに下限は「0」のまま。

川崎 あるあるですね。年収の高い男性で、同じようなことしている人、いっぱいいますよ。

南 この話を思い出して、果たしてキャリア女性とくっつくのかな?と。うんざりすることも多いけど、お相手の年収の下限を「0」のままにしておけば、女性の側からバーって寄ってきてくれる。その方が楽だから、つい、そっちに流されちゃうみたいなケースも少なくないような気がします。だから、自分と同じぐらいのキャリアの人と結婚しようって設定してくれる男性はまだ、婚活界隈には少ないのかなと思うところはあります。

川崎 確かに、総じてみたらまだまだな感はあると思います。

南 ただ、一方で若い世代には、キャリア女性と結婚したいと考える男の人は、徐々に増えているのかなって気はします。まぁ、私の同世代はあまりいませんけどw  結婚相手は、1歳でも若い方がいい、年収も10万円でも自分より年収の低い女性がいい、みたいな価値観が多かったから。

川崎 ほんと、私の世代もそうでした。

南 ですよね。で、配偶者が感情的で困るって愚痴るみたいな。

川崎 あはは。「キャリ婚」で面接していた男性は、27、8歳とか、30代、それも前半が多かったのですが、結婚相談所でプロフィールに年収800万円とか、900万円とか書いちゃうと、専業主婦願望の女性ばっかりきちゃって戸惑うと言ってましたw

南 やっぱり、そうなっちゃいますよね。

川崎 あなたなら養えるでしょうって、結婚相談所に人にも言われちゃうらしくて。

南 おー。

川崎 なので「キャリ婚」にきましたって。男性は男性でジレンマがあるんだろうなと。

南 男性の場合は、年収ですが、女性の場合は、年齢というか、若さかもしれませんね。よく、結婚相談所を使うなら、若いうちに登録すると、モテるよって言われますけど、若いうちに入会すると、今度は若い子目当てのおじさんばっかり寄ってきたりするらしいので。

川崎 それはそれで傷つきますしね。こんな人しか来ないの?っていう。

南 モテるといっても、すごい年上に殺到されても、嫌になっちゃいますよね。そう考えると、結婚相談所って案外、難しいかもしれませんね。

『俺はこのままひとりぼっちで、いつかおかしくなってしまうんだろうか』 (双葉文庫) 南さんの最新刊。 不器用な人間のいきざまや繋がりを丁寧に描いた長編

今回の対談ゲスト 南綾子さんのプロフィール

南綾子さん
1981年愛知県名古屋市生れ。 2005年「夏がおわる」で第4回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。 おもな著作に『ほしいあいたいすきいれて』『ベイビィ、ワンモアタイム』『わたしの好きなおじさん』『すべてわたしがやりました』など。 今後の人生の目標は、カップ焼きそばの頻度を月三以下に抑えること。
写真:©新潮社写真部

今回の対談を主催した 魔女のサバト 川崎貴子のプロフィー

リントス代表。25歳のときに、働く女性のための人材コンサルティング会社を設立。

以来、一貫して「働く女性の成功・成長・幸せをサポート」する仕事に携わり、人材紹介事業や教育事業、女性活躍支援コンサルティング事業などを展開。

現在は、リントス代表、ベランダ株式会社取締役。著書に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』など。2児の母。

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この記事を書いた人

「魔女のテラス」編集部です。私たちは女性の結婚を応援するメディア「魔女のテラス」を運営しています。代表3名の共著『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』(河出書房)を、ぜひご覧ください。

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