婚活予備校「魔女のサバト」の黒魔女・川崎貴子さんとコミックエッセイ『自己肯定感が低いので人生リノベします』の著者・ゐさんに、「婚活を阻んでいるかもしれない“自己肯定感”との向き合い方」をテーマに対談していただきました。全3回。
※対談は、2024年10月に行いました
シスターフットを持って安心感を得ることから始める
川崎 親子関係など、自己肯定感が下がってしまう要因はいろいろあると思うのですが、私は後天的に自己肯定感を高めることはできると思っています。
ゐ 同感です。
川崎 では、どうやったら自己肯定感を育むことができるのか、コツというかポイントをテーマに伺っていきたいと思います。ちなみに、漫画の主人公・美咲ちゃんの自己成長のために意識したことはありますか?

ゐ はい。主人公・美咲が人生をリノベするきっかけ役を担っているのが、シスターフット(女性同士の支援)の存在です。漫画では、二人のシスターフットが登場しています。一人は、バリキャリの先輩。彼女は独身で生きていくと決めていて、マンション購入までします。もう一人は、家庭に入って怪獣みたいにやんちゃな我が子の子育てに奮闘中の同級生。
川崎 いましたねw
ゐ バックグランドの異なる彼女たちとの対話を通して、(主人公の)美咲自らが気づいていくという流れにしたかったんです。自己肯定感を上げていく上で、自分の思いを共有できる場や、悩みを分かち合える友人の存在って重要だと思うんです。「一人ではない」という安心感が自分を肯定する基盤になりますから。
川崎 わかります。サバト生たち(婚活予備校「魔女のサバト」のメンバー)も、共に婚活に向き合う仲間がいることが励みになっている、そこに魅力を感じている人がたくさんいます。婚活の悩みや辛さって誰にでも話せるものじゃないですか! 下手に吐露して、「理想が高すぎるからだよ」とか、「もっと頑張りなよ」なんて言われたら、自己肯定感を育むどころか、さらに下がりかねないですから。
ゐ はい。だから、気持ちを共有できたり、安心感を得られる場ってとても大事だと思います。主人公の美咲の場合は、先輩や同級生だったわけです。
肯定感自己肯定感を上げるために何かするのではなく、
いっそのこと自己暗示をかける
川崎 自分を肯定する基盤を得た上で重要なことってありますか?

ゐ これ言っちゃうと、元も子もないかもしれませんが、自己肯定感って上げようと思って上がるものではないと思うんです。むしろ、自己肯定感を上げるために、ダイエットしよう! メイクやスタイリングを身につけよう! といった具合に、何かしようって考えるのは、違うのではないかと。余談ですが、美容整形も好きなジャンルなのですが、整形を繰り返してものすごく綺麗になっているのに、自殺しちゃったりするんですよ。側から見たら、綺麗になるためにすごく努力しているし、実際、綺麗になっているのに、なんで?って、理解に苦しむことがあるのですが、これってまさに自己肯定感の低さが影響しているんですよね、たぶん。何かを達成することで肯定感を育めることもあるとは思うのですが、それってすごく時間がかかりますよね。だったらもう、力技=自己暗示をかけていくのが一番なんじゃないかと考えるようになりました。
川崎 わかります、自己暗示って大事ですよね。それに、自分には価値があると自己暗示をかけることができれば、自分を軽んじる人を切ることもできます。
ゐ そうなんですよ!
川崎 自分のことを軽んじている人と一緒にいたり、近くにいることをゆるしたりすると、どんどん自己肯定感が低くなっていくじゃないですか。
ゐ もはや負のループですよね。
川崎 そのループから逃れるためにも、自分は軽んじられる存在ではない、自分は愛されるに値する、その気になれば幸せを掴めるというおまじない=自己暗示はすごく大事だと思います。
ゐ いい意味で感覚をバグらせるのがいいんじゃないかなって思います。自分の価値とか言い出すと、また沼にハマっちゃいかねないのでw 自分を軽んじてくるヤツには近寄らない、大事にしてくれる人はちょっとつまらないかもしれないけど、とりあえず近くにおいておく。で、たまに気が向いたら、刺激があるものを楽しんでみる、くらいの感覚がいいのかな、と。荒業的にバグらせちゃうのも手だと思います。
川崎 いいですね。私は、サバト生に「酔っちゃえ!」って言ってますw
ゐ ははは
川崎 先日、とあるスナックに行ったんですけど、そこの60代のママが「ババア禁止」って言っているんですよ。「ババア」って言ったら追い出すシステムでw 一見すると、ママの顔色を窺わなきゃいけなくて居心地が悪いんじゃないかって思いがちですが、実際はお客さんでいっぱいなんです。「ママ、今日も綺麗だね〜」なんて言ったりして。そこでのママはまさにお姫様。そんな様子を見ていて、これぞ自己肯定感だなって納得しちゃいました。まぁ、おばちゃんだからできるマイルールかもしれないですけどね。若い世代は、マイルールなんて作ったら、傲慢って思われるんじゃないか、嫌な女って思われるんじゃないかって揺れる世代だと思うので、いきなり例に挙げたママのようになれっていうのは難しいとは思いますが、せめて自分のルールでいい場所を持つのは、いい意味で感覚をバグらせるのに有効かもしれませんね。本日は参考になるお話、ありがとうございました。
ゐ: こちらこそありがとうございました。この記事が、多くの女性にとって役立つきっかけになることを願っています。

今回の対談ゲスト ゐさんのプロフィール

ゐさん
X(旧Twitter)やnoteで推し活シリーズ「ブチヲと麗奈」や美容、恋活、婚活などの漫画を配信。
人間関係のリアルを描いた作風が人気で、テレビやWEBサイトなど複数のメディアで紹介されている。
LINEマンガインディーズ大賞’22で「本当にあった裏バイト ~マッチングアプリのメッセージ代行~」が審査員特別賞を受賞。
今回の対談を主催した魔女のサバト・川崎貴子のプロフィール



リントス代表。25歳のときに、働く女性のための人材コンサルティング会社を設立。
以来、一貫して「働く女性の成功・成長・幸せをサポート」する仕事に携わり、人材紹介事業や教育事業、女性活躍支援コンサルティング事業などを展開。
現在は、リントス代表、ベランダ株式会社取締役。著書に『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる』など。2児の母。

