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人生の終わりに「婚活すればよかった」と後悔しないために

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私は今から7年前、44歳の時に乳がんになりました。

当時乳がんという事は告知されたもののステージは解らず、後どれくらい生きられるのかと悩んだこと。

そこからの右乳房全摘手術、乳房再建、乳首再建。その間の仕事や家族とのやり取りに関しては、

「我がおっぱいに未練無し」という本にまとめてあるのでご興味のある方は是非読んでください。

乳がんを公表し、本を出し、Working RIBBONのオフィシャルサポーターを歴任していることで、私の所にはたくさんの女性特有のがん(乳がんや子宮がん)に罹った女性達から相談が来るようになりました。講演にも呼ばれるようにもなり、全国に「がん友達」ができ、振り返れば、彼女達と色々な情報や思いを共有した7年間でありました。

そのがん友達の何人かは、残念ながら若くしてお亡くなりになりました。

男性特有のがんは60代以降に多いのに対して、女性特有のがんは子宮がんが30代、乳がんが40代と若く、ある意味、仕事やプライべートや子育てにとても忙しい時期と被ります。なので、検診に行かなかったり、違和感に気づかなかったりで発見が遅れるケースが多いのです。

昨年末に亡くなった彼女も3年検査を受けておらず、2年前、久しぶりに受けてみたら乳がんステージ3。その後転移してステージ4になり、最後はもう治療ができないという事で緩和ケアへ移りました。

目次

●何もかも頑張ってきた彼女の後悔とは?

「こんなことなら婚活しとけばよかった」

お見舞いに行った際、私が婚活予備校をやっているのを知ってるからか、彼女はそんなことを言うのでした。

「結婚したくなかった訳じゃなくて、ご縁があればしたいと思ってたんです。でも、婚活するのはなんか恥ずかしくて。でも今は、ここに愛する伴侶がいたらなーって思うんですよ。勝手ですよね?」

私は首を振る事で「勝手じゃないよ」と伝えて、彼女が才能と努力で色々なものを獲得してきた事を振り返り、ああ、やっぱり彼女もそうなんだと思ったものです。

昔、緩和ケアの先生のインタビューを読んだことがあって、そこに書いてあったのは、

「余命宣告された人たちは仕事の後悔を語る人はほとんどいなくて、皆〝もっと伴侶に優しくすればよかった″とか‟子供との時間を大切にすれば良かった″とか″好きな人に告白すれば良かった″など、愛にまつわる事が多い」

という事でした。かのスティーブジョブズも人生の最後に、

「病気でベッドに寝ていると人生が走馬灯のように思い出される。私がずっとプライドを持っていた事、認証や富は迫る死を前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。(中略)私が勝ち得た富は、死ぬときに一緒に持っていけるものではない。私が持っていける物は愛情にあふれた思い出だけだ。これこそが本当の豊かさであり、あなたとずっと一緒にいてくれるもの、あなたに力を与えてくれるもの、あなたの道を照らしてくれるものだ。(以下略)」

という言葉を残しています。

私自身も本当のステージが解るまでの1か月半の間、「もしかしたら来年は子供たちといられないのかもしれない」と、忙しくしながらも眠れぬ毎日でした。そしてその間、繰り返し思っていたものです。「なんでもっと、子供達との時間を作らなかったのだろうか」と。

結局、彼女は43歳という若さでこの世を去りました。

彼女は若くしてがんになった「特別に不運な人」でしょうか?

そんなこと決してありません。お見舞いに行けず、メールでやり取りしていた人達で同じような後悔を吐露していた人は他に何人もいましたし、先日ランチした人のご友人もまた、彼女と同じケースでした。

今や2人に1人ががんになると言われている時代です。私の所には、「会社にも家族にも友人にも内緒にしている」というがん罹患者からたくさんアクセスがあるので、私にはその数たるや立派な「国民病」に映るし、健康だった人達も、健康に留意してきた人達も多いものだから誰もが罹りえる病であると言えます。それにがん以外の病気や事故も合わせると、健康でいられる期間や人生そのものとは、思うよりずっと短かったりします。

●「結婚してもしなくても幸せ」とは言うけれど

今や結婚=幸せではありません。多様な価値観で多様な幸せを見つけるのが正しいと私も思います。

ただ、少しでも結婚願望があるなら、結婚願望がなくても「愛する人と共に人生を歩みたい」という思いがあるのなら、思い切って婚活してみてほしいと、婚活予備校をやっている私ではなく、がん経験者としての私は思います。

それでもし、思うようなパートナーが見つからなかったとしても、婚活しなかった後悔、自分の願望に向き合わなかった後悔だけはしない筈だからです。

自分の経験だけじゃなく、件の彼女や緩和ケアの先生や、ジョブスの言葉を総合すると、

「人生は愛する人を探す旅」

なのだとつくづく思います。

どうか毎日に忙殺されて、その旅を先送りしないで。

「しなかった後悔」で人生の最後を終わらせないで。

検診をちゃんと受けて。

そう願ってやみません。

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この記事を書いた人

リントス株式会社代表取締役。25歳で人材コンサルティング会社ジョヤンテを設立。女性のエンパワーメントに力を入れた事業を運営。2016年には共働き志向の男女向け婚活サービス「キャリ婚」を創設。現在はベランダ株式会社取締役、株式会社ninoyaの取締役、株式会社インプレスマネージの社外取締役を兼任。婚活予備校「魔女のサバト」代表。著書『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』『愛は技術』『結婚したい女子のためのハンティング・レッスン」など。

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