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日本では今後、一夫多妻のようなライフスタイルも生まれるのではないか【トイアンナ×浅田さん@令和の魔法使い③】

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婚活予備校「魔女のサバト」の青魔女・トイアンナさんと恋愛コラムニスト・浅田さんに、今後の日本の恋愛と結婚について対談していただきました。全3回。

※対談は2024年2月に行われました。

目次

経済と科学的技術の影響を受けながら、日本の恋愛はどう変化するのか?

トイ:最近、面白いデータを発見しました。江戸時代は未婚率が低かったと言われていますが、実はそうでもなくて。江戸でも男性の有配偶率は50%前後。さらに農村部だと、未婚率がかなり高かったことがわかってきているそうです。
なぜそうなるかというと、地方だと長男しか結婚させてもらえず、次男や三男は部屋住みで労働力に組み込まれて結婚させてもらえなかったというのがありまして。
実は今の恋愛は江戸時代に後退していると言えばしているんですよね。勝ち組しか恋愛できないという。

浅田:確かに。一極集中型にはなっていますね。でも、江戸時代ならば、長男にさえ生まれたらとりあえず結婚して子供も残せるから、その意味では平等だと思います。外れクジはエグいですけれど。
対する現代は、完全なる実力主義です。なので、似ているようでいて異なっていると思います。

トイ:でも一方で、現代はどれぐらい貧乏になるか、どれぐらい金持ちになるかは親次第みたいなところも大きいですよね。親に資産がたくさんあれば、子どもにもその資産が引き継がれるとか。親が高学歴だと子供が高学歴になりやすいとか。そういうことはたくさんあると思います。そう考えると、江戸時代の長男しか結婚できない、というのとかなり近づいてきています。しかも今は、大半が長男・長女ですからね。

浅田:確かに。結局はそうなりますね。

トイ:だから親ガチャという言葉が生まれるんでしょうね。

浅田:そうですね。やっぱり遺伝とか親の支えは大きいです。

トイ:浅田さんが先ほど仰っていた、恋愛は労働、賃金の問題を解決したその先にあるということは、私自身も思うことです。なので、今後の日本で恋愛ができるようにするためには、結局は賃金を上げるしかないと思っています。
賃金を上げるためには税金を減らしてGDPを上げるしかないので、経済政策を頑張りましょう、になりますね。

浅田:でも、お金があっても、先進国になればなるほど1人当たりの子供の数は減っていますよね。ってことは、日本も経済政策を良くして富のある国にしても、少子化は止められないんじゃないですか?

トイ:論破されました(笑)。でも、単に子供の出生数を増やしたいんだったら、まずは生むことを義務にして、その上で子供は高い確率で死ぬから、たくさん産まなきゃって思わせなきゃいけないんですよね。でもそれってあまりにも非現実的で、それやるのおかしいよねって言ってるのが現状です。

浅田:産んだら儲かるようにしたらいいんですけどね。

トイ:色んな国が相続税減らす、所得税減らすといった工夫をしていますが、それでも出生率4とかにはならないです。
なかなか難しいですね。
人口が減っていくと仮定して、日本人が4000万人ぐらいになったとしても、例えばAIとかで不足する労働力をカバーできれば恋愛をする余裕が出てくるかもしれません。実際にAIで労働力をカバーできている職種も出てきていますよね。浅田さんはこれからの日本の恋愛について、どうお考えでしょうか?

浅田:経済について語ると政治家の領域になってしまう気がするので、恋愛コラムニストが言えることでお話ししますと、カウンターが生まれると思っています。

トイ:カウンターというのは、恋愛至上主義に対するカウンターですか。

浅田:はい。マトリックスで考えますと、上が恋愛資本主義的な感じで、下が共産主義というか恋愛弱者的な感じ。弱くても恋愛をやっていけるようにする社会です。左右が恋愛したいか、しないかのスタイルです。
恋愛強者で恋愛したい方たちが行き着く先には、イーロンマスクなどの超富裕層が密かに進めているような(そして生物の遺伝子競争的には有効だと言わざるを得ない)一夫多妻のようなライフスタイルも生まれると思います

トイ:それは良い悪いは置いといて、強者はより勝つみたいなイメージですか?

浅田:加速する部分は加速するからです。そして一夫多妻的な価値観を認めざるを得ないっていう考え方と、そこに進んでいく男性、女性は一定数生まれると思います。
一方、真ん中より下はカウンターカルチャーとして、これから5年、10年のスパンで生まれると予想しています。
具体的にどういうムーブメントが来るかで言うと、 マッチングアプリや結婚相談所が、もうちょっとお見合いおばさん的な面が強くなるというか。

トイ:より手取り足取り婚活を指導するようになる、ということでしょうか?

浅田:はい。例えば遺伝子で良いって出たからもう付き合え、もう結婚しろ、みたいな。強制力が強くなるってことですね。

トイ:遺伝子とかでどんな職業に就くかとかが大体レコメンドされちゃうような世界観ですね。

浅田:それよりはもうちょっとライトなサービスを謳う結婚相談所が生まれるんじゃないかな。半強制というところにある意味心地よさを感じる方は多いと思います
なので、恋愛においても、「もうこの人と結婚しなさい!」って結構強めに言ってくれる外圧を欲しがる人たちがいるのではないかと。

トイ:外圧がないと結婚できないから、外圧をくれって言い出すわけですね。

浅田:そうですね。昔のお見合いであるとか、地域のコミュニティに後押ししてもらうという形も生まれると思います。

恋愛離れが進むと、シェアハウスというライフスタイルが生まれるかもしれない

浅田:多分これも5年後ぐらいからな気がするんですけど。結婚しないことにした女性3人組がシェアハウスするドラマとかがバズると思います。

トイ:今、存在しているものの中で一番近いのは、漫画で言うところの『作りたい女と食べたい女』でしょうか。
料理を作るのが大好きだけど少食という主人公の女性が、隣に住む食べることが大好きな女性と仲良くなって、2人で料理を作って食べるようになって、どんどん親密になっていく、という話です。途中から片方が自分はレズビアンだと気付くところから話は変わっていますが、それを除けばこうしたフレンドシップは広がっていくかもしれません。

浅田:お金がないっていうところともリンクしますし、起こり得るでしょうね。現実問題、恋愛ができずに生涯独身になる人たちが一定数、未曾有の数で増えていくと思います
そういう人たちは、自分たちの心を支えるために、それを正当化するストーリーを欲しがります。そこに多分当て込んだストーリーが1回バズるんじゃないかと。多分それはシェアハウスの形だと思う。

トイ:その生活形態が許されるか、というところに恋愛が密接に関係してきますね。それが社会的に絶対許されなかったら結婚するしかないですからね。
3人とも同じシェアハウスという生活が許されるようになった時に気になるのが、男性ってシェアハウスしないだろうなってなんとなく思うんですよ。

浅田:男性も結構シェアハウスしてますよ。男性ってそもそもモテないというか、女性に相手にされないって気付いたら、ホモソーシャルなコミュニティを築くじゃないですか。その不特定多数の人と、とあるシェアハウス会社が運営しているシェアハウスの中に入って、気の合う者たち3人から4人で住むっていう形式です。

トイ:またまた漫画で例えさせていただきますと、『めぞん一刻』みたいな感じでしょうか。

浅田:そうですね。多分もうちょっと青春感ないと思うんですけど、高校の部室みたいな感じですね。
LGPTではないけれど、同じ性別の者同士で暮らすのも楽しいし、ある程度おしゃれだし、そういう流れは来るだろうな、と思います。

トイ:とても分かりやすかったです。今日はすごく聞きたいことが聞けちゃいました。

浅田:いえいえ。「魔女のサバト」と恋愛婚活メディア「魔女のテラス」も応援しております。

トイ:ありがとうございます。ここは恋愛媒体でも砂漠の端っこで叫んでるだけのメディアですが、細く長く頑張っていきたいと思っています。浅田さん、本日はありがとうございました。

浅田:ありがとうございました。

今回の対談ゲスト 浅田さん@令和の魔法使いのプロフィール

恋愛コラムニスト。恋愛本「わたしは愛される実験をはじめた」「宇宙が終わるまでに恋したい」「ラブスペル」出版。漫画化もされる。自身のSNSが「恋が叶うオンライン恋愛神社」と呼ばれだし、恋に悩める乙女たちの参拝メッセージによってDMが24時間ナイアガラの滝のように流れている。この瞬間にも流れている。

今回の対談を主催した 魔女のサバト トイアンナのプロフィール

恋愛ライター。外資系企業でマーケティングを経験後、2015年に独立。

ブログでキャリア女性の生きづらさを書いていたところ、50万PVを記録。

そこからは派生して、Webメディア運営代行会社を創業。著書『恋愛障害』『モテたいわけではないのだが』など。2023年、第1子が誕生。

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この記事を書いた人

「魔女のテラス」編集部です。私たちは女性の結婚を応援するメディア「魔女のテラス」を運営しています。代表3名の共著『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』(河出書房)を、ぜひご覧ください。

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