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「結婚しろ!」という圧力がなくなった現代。日本の恋愛・結婚はどこへ向かうのか?【トイアンナ×浅田さん@令和の魔法使い①】

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婚活予備校「魔女のサバト」の青魔女・トイアンナさんと恋愛コラムニスト・浅田さんに、今後の日本の恋愛と結婚について対談していただきました。全3回。

※対談は2024年2月に行われました。

目次

自由になったからこそシビアな令和の恋愛

トイアンナさん(以下、トイ):浅田さんのファンは20代前半から半ばぐらいの方が多い印象があります。突出してこの世代はこういう悩み多いんだよな、と思うことがありましたら、最初にお伺いしたいです。

浅田さん(以下、浅田):たしかにざっくり20代が多いですね。特徴として、いわゆる恋活から婚活にシフトする年代というのは一つあると思います。でもそのシフトは別として考えると、どんな壁にぶつかってどうやってクリアすべきかというものは、どの世代もそこまで変わらないかな、というのが僕の考えです。

トイ:ありがとうございます。私が25歳くらいだったときは、結婚しないと人生終わる、みたいな空気感が結構ありました。合コンやアプリを使ってなんとしてでも結婚しようと、女性たちが焦っていたんです。でも、そういう焦りが今は薄れていると感じています。結婚してもしなくても生きていけるよね、という考えが高まってきているように思っていますが、浅田さんはどうでしょう?

浅田:僕はそうは思わないですね。生きていくためのお金が減ってきた時代だから仕事しなくてはならない。すると、恋愛活動に避ける時間が減るから今はちょっと恋愛よりも、他の楽しいことにちょっとリソースを割きたいよねっていうのはあると思うんですけど、それは二次的なものかと。
本心ではみんな結局恋したいし、結婚したいんだな、と思っています。
とはいえ、無料で楽しいものが増えたから、やっぱり頭の中を恋愛が占める割合はちょっと減ってますね。
恋愛はコスパ悪いし、タムパ悪いっていうのもバレてきてるなっていうのはあります。

トイ:確かに。わざわざ恋愛を選ばなくても、もっと面白いと感じる対面イベントは増えてますね。恋愛って非効率だからこそ楽しいよね、みたいなところがありますが、コンテンツをタイパで感じていたらその時点で恋愛しなくていいや、になります。

浅田:昔と比べて今はやることが多いんでしょうね、みんな。
でも、根っこの部分では実はみんな、恋愛や結婚に興味があるんだと思います。「いい男いないかなー」って言ったり、「もう25歳、結婚考えなきゃ!」って言ったり。

トイ:そう言ってはいると思うんですよ。でも、最近のそういった言葉は、切実さの伴った叫びではない気がするんです。「結婚しなきゃヤバい!」って言っておいた方が世間的によろしかろう、みたいなものを感じています。私が25歳だった時の「結婚しなきゃ!」は魂からの泣き声でした。

浅田:多分僕はトイさんの世代が25歳だった頃の泣き声を聞いてないので、相対化できない、というのはひとつあります。でも、今の20代前半がポーズだけで結婚したいって言ってるかと問われたら、そうでもないかな。

トイ:確かにポーズだけではないかもしれませんが、結婚したいという願望が叶って結婚に至る人はどんどん少なくなっていますよね。今の時代は結婚についてネガティブな圧力がなくなってきているからかな、と思います。
結婚してようやく一人前、とか、結婚しないと会社で出世できないとか。そういった風潮は世代が下るにつれてどんどん薄れています。だからこそ、今は結婚したいならばかなり能動的に動かなくてはいけない

浅田:僕はそういう結婚の圧力が強い時代を知らない可能性がありますね。僕が今、こうして受け答えしていることそのものが、今の恋愛観とイコールのように思います。
そもそも人ってある程度恋したいし、多分結婚したいとは思うんですね。今までは社会的な圧力でブーストがかかってたと思ういます。ブーストは減ったけど、本能は残ってるから、今の20代も恋愛に興味があるんだと思います。
もちろん恋愛映画や素敵なドラマとか、外からの影響がまったくないわけではないですし。

トイ:となると、今の20代の恋愛ってもしかしてめっちゃポジティブ。辛い失恋もあるけど、その動機としてはいいものが増えたんですかね。

浅田:良くも悪くも自由が与えられたってことだと思います。自由ということは勝負ということなので、勝者と敗者が分かれるし、能力主義です。 なので、恋愛は弱肉強食の世界になっていますよね。

トイ:恋愛に対して極めて貪欲な層だけが結婚できるみたいになっちゃっていますかね。

浅田:昔は半強制的に結婚させようとするかのような外圧がありましたが、個人主義が叫ばれて圧力がなくなってしまいました。じゃあみんなハッピーになったかなって思ったら、案外みんな戸惑ってて。実力主義になっちゃったから、結婚したいのに結婚できない人が増えているというのは今の課題だと思います。
そういう独りでやるしかなくなった方に、とにかく最低限の装備というか、ノウハウを伝えるポジションの人ですね、僕は。

フィクションのストーリーから、自分らしい恋愛のスタイルを学ぶことが大切!

トイ:浅田さんの特徴ってフィクションのストーリーというか、世界観を作ってから恋愛について指導することが多いなと思っていて、それは書籍にも反映されていると感じています。このスタイルを選択されているのは、小説家がやりたいこととしてベースにあるからでしょうか?

浅田:もちろんそれもありますが、そもそも人はストーリーでしか動かないと僕は思っているからですね。 共感とともに頭の中で追体験していただくというか。体験したことでないと頭に入らないし、腑に落ちてくれないし、動いてくれない。キリスト教だって、聖書があるから2000年も勝ち残れていると僕は思ってるので。ノウハウだけを羅列したものであれば、おそらくもっと広がってなかっただろうな、という。

あと、僕が恋愛コラムニストとして結構大事にしてる考え方が、「で、結局どうすんの?」っていうところに答えられる人でありたい。共感だけで終わったりとか、精神論を語ることもすごく素晴らしいし、問題提起や気付きを与えてくれます。それで人生変わる人もいるのでしょうけれど、それだけでは足りない時代が来たと思っているんです。さっき言った恋愛弱肉強食時代に突入したこともあるんですけど。なので、具体的にどうするかもセットであるスタンスを取りたいなと思ってます。

トイ:確かにストーリー性というものは大事ですね。私が主催している婚活予備校も、「魔女のサバト」という名前だけでストーリーにしてしまっています。魔女のグループという世界観に巻き込むような形です。

浅田:別の角度からの戦略の話になりますけれど、 僕は人に正しい理解をしてもらう必要はないと思っているんですね。
結果として本人が望む方向に動いてくれたり、答えが得られるなら、手に入れたメソッドとかノウハウが間違っててもいいと思っているんですよ。なので、終わりよければ全て良しと言いますか、そういう意味では世界観であったりストーリーを利用してでも、動いてもらえればそれでよいのかな、と。

トイ:あとは結構、浅田さんの書かれている文章って「こういう女になりなよ!」っていうメッセージが結構しっかりあるなと思っていて。

浅田:そうですね。それすらストーリーっていう形を取ることで、直接的に指示はしていない形は取れているのかなとは思います。

トイ:どういう女性に最終的に仕上げたいのか、そこも伺いたいなとも思っていました。

浅田:僕は別に何も望んでないですね。というのも、その人自身に多分進みたい道とか得たい答えがあるだろうから。
僕は押し付けるものではなくて、その人の中から答えを引き出したいと思っています。

トイ:そうなんですね。じゃあ逆にベニコさんみたいないわゆる教師役を作るとき、何を意識されているんですか?

ベニコさんとは?
浅田さんの著書『わたしは愛される実験をはじめた。』と『宇宙が終わるまでに恋したい』に登場するキャラクターです。「恋愛認知学」という独自のメソッドを通して、恋に迷える女性に恋愛指南を行います。

浅田:確かなものを伝えようと思うからこそ、ああなったという面もありますし。心理学的な一番の正解、80点ぐらいはとれる模範解答を伝えることを意識しています。でも、「ベニコさんみたいになってください、あれがどんな人にとっても正解です!」と言い切りたいわけではなく、その中でも取り入れたい部分だけ取り入れてくださいっていうスタンスかな。

トイ:じゃあ、「ベニコさんこそが理想の女! あんな風になってくれ!」とはまた違うんですね。

浅田:まったく違いますね。目指していただくのはアリだとは思いますけど。
優れた役者には2つのタイプがあると言われていて、一つ目が、「自分、自分!」っていう風に優れたキャラクターをとにかく見せつけるもの。二つ目が鏡の役割を果たす役者であると。見ているうちにグサグサ刺さって、自分自身について考えるところが出ちゃうタイプの演技スタイル。僕はその後者でありたいです。

今回の対談ゲスト 浅田さん@令和の魔法使いのプロフィール

恋愛コラムニスト。恋愛本「わたしは愛される実験をはじめた」「宇宙が終わるまでに恋したい」「ラブスペル」出版。漫画化もされる。自身のSNSが「恋が叶うオンライン恋愛神社」と呼ばれだし、恋に悩める乙女たちの参拝メッセージによってDMが24時間ナイアガラの滝のように流れている。この瞬間にも流れている。

今回の対談を主催した 魔女のサバト トイアンナのプロフィール

恋愛ライター。外資系企業でマーケティングを経験後、2015年に独立。

ブログでキャリア女性の生きづらさを書いていたところ、50万PVを記録。

そこからは派生して、Webメディア運営代行会社を創業。著書『恋愛障害』『モテたいわけではないのだが』など。2023年、第1子が誕生。

対談シリーズ第2回の記事を読む>>>

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この記事を書いた人

「魔女のテラス」編集部です。私たちは女性の結婚を応援するメディア「魔女のテラス」を運営しています。代表3名の共著『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』(河出書房)を、ぜひご覧ください。

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