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「自分だけ結婚してない」ことに悩む女性が成婚する方法 川崎貴子xトイアンナ対談①

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日本最大級の婚活予備校「魔女のサバト」の代表・川崎貴子さんと、累計5,000人以上の人生相談にのってきたライター、トイアンナさんが対談しました。全3回。

目次

自分だけ結婚してない……いいえ、みんな結婚できていません

トイアンナ(以下、トイ):まずは、結婚に悩んでいる方について教えていただきたいです。20代も40代も、実に8割が結婚したいんですよね。LGBTQなど、法律上結婚したくてもできない層まで考えたら、もっとみんなが結婚したい。でもできない。どうしてだと思いますか?

川崎貴子(以下、川崎):20代の子は「結婚はいつか」のようにまだほわっとしてますね。「いつか機会があったら」「目の前にそういう人が現れたら」と、結婚を棚ぼた的なものだと思っているから出会えないんですよね。当時は私もそうでしたから、悪いとは思いません。20代で早々に結婚する方は、戦略的に動いています。

「戦略的に婚活する」とはどういうことかというと……

  • 学生のときからの彼氏をしっかり捕まえる
  • 24、5歳になったら親に紹介して、外堀を埋めていく
  • 「あなたみたいな若さで結婚相談所に入るの?」というときに入会する

といったものです。

婚活予備校・魔女のサバトにも、20代の子が多く在籍してきました。
そこで「結婚しなきゃ絶対無理」と思っている人と、「いつかできればいいや」という人には差が生まれます。
今は、その意識の差がすごくあると思っています。
結婚が自分の人生においてマストなのか、それともチャンスがあったらなのか。それは人によって違いますよね。

私より絶対トイアンナさんの方が20代に年齢が近いわけですけれども、20代のときはどうでしたか?

トイ:私は自分が「結婚したくて頑張っている派」だと思っていたのですが、私の友人と話をしていると、自分がいかに甘かったかを思い知らされます。
私の婚活は、「結婚相談所を2つ契約して、婚活パーティーに行き、プラス友達の紹介もお願いした」ような具合。これで、「ガチで婚活してるでしょ」ぐらいの気持ちでした。

ところが、友達は行動量ではなく戦略性が高かった。
学生時代から仲良しの男性をたくさん作り、かれらの実家の推定資産額を表にしていました。

そして、一番資産の多い方と結婚しました。彼女にとっては、実家が太いことが何よりも大事だったからです。

自分だけ結婚してないと思ったら「結婚相手に求めることを絞る」

川崎:その方は、結婚したい人の優先順位が「実家の資産」に決まっていたということですよね。

トイ:そうです。私は当時、「自分の好みのタイプと結婚しよう」ぐらいしか思っていなくて。それで、恋愛的に好みの人と結婚しましたが、人生設計が合わずに離婚してしまいました。

その点、彼女はシビア。金目当てたと言われたらその通りでしょう。ですが、本人が恋愛生活ではなくて結婚生活において何が幸せかを理解し、それを実現する手法をちゃんとわかっていたという意味で、素晴らしいなと思いました。

川崎:なるほど。そういう人はどこにいるのかも、彼女はわかっていた感じですか?

トイ:高校時代から資産が多い男性と結婚したくて大学を選び、大学時代の彼氏と結婚しましたね。今は渋谷のタワマンに住んでいます。

川崎:なるほどね。「自分が相手に求める優先順位をみつけて、戦略的にやってください」ということを私も思います。そこで自分で優先順位を付けられない人たちの相談にずっと乗ってきたから。
とはいえ、そうじゃない人たちがかわいいというか、その不器用さがかわいいというか。そういうところがあって、相談に乗っているのかも。

トイ:戦略的に婚活で動く人は、逆に言えば「自分が重要視しない条件」を決めているわけですよね。

川崎:そこは捨てているということだよね。

トイ:先程の彼女ですと「顔や身長はどうでもいい」「高卒でも何でもいい」「タバコを吸っていてもいい」「バツがあってもいい」といった、重要視しない部分もはっきりしていました。

川崎:いっそ清々しいね。

トイ:はい。ときめかなくていい、デートがめちゃくちゃ下手でもいい。「そんなの、私がやります」という人です。

川崎:婚活がうまくいく方と、転職が決まる方は似ていますね。
私は、これまで女性のキャリア支援を仕事にしてきたのでわかりますが、転職がうまくいく方は求める条件がパキッと決まっています。「上場企業で、年収がこれぐらい。職場の雰囲気は気にしません」と、優先順位が決まっている人は転職が早く決まる。キャリアで迷う方は条件に1位がなくて、あれもこれもと、ちりばめている感じになります。

トイ:転職との共通点も出たので、婚活で女性が陥りやすい罠について、聞いてみたいです。

婚活女性が陥りやすい罠① NGリストがどんどん増える

トイ:転職でたとえるなら、どんな女性が苦労されているんでしょうか。もう少し教えてください。

川崎:たとえば、みなさん「こういう会社がいい」という理想は5個ぐらい教えてくれます。ただ、よくよく聞いてみると、男女比率がこうであってほしい、場所は表参道がいい、理念はこういう会社……などなど、いろんな「後出し条件」が小さく出てきます。逆に「これさえあれば転職決めます」といった、強烈な条件となるものがないんですね。

これだと、面接へ行っても「人事の感じが嫌だったので」とかいって、辞退が続いてしまいます。もちろん、面接でギスギスした感じがあるといった直観は、その会社の悪いところを知る上で重要です。ただ、確率的には重要な条件だけを決めている人の方が、いいキャリアを積みやすいんです。

トイ:しかも、真面目な女性は、転職エージェントからどう見られるかもわかっていますから、変な条件を先に述べないのですよね。でも本音は違う。たとえば婚活で、高年収がいいと思っている女性でも「年収1,000万円もない男性には、人権はないと思います」なんて誰も言いません。言わないのに思っている。だから苦戦します。自分に嘘をついているからです。


いざ男性と会ってもらうと、
「食べ方がめちゃめちゃ汚い」
「私を下座に座らせるの?」
「初回から5時間付き合わなきゃいけないの?」
とか、後出し条件がいろいろ出てくるんですよね。

相談時点ではなかったはずの「時間を考えて行動してくれる」「食べ方が美しい」なんて細かな条件がポコポコ増えていって、NGリストがどんどん増えて、婚活で苦戦すると思っています。どうでしょうか?

川崎:本当に、よく相談でいただく内容ですね!
その中でも、条件を仕分けしてみるといいですよね。「◯◯は自分が妻になったら変えられるな」とか、これは一生変わらないだろうな、とか。箸の持ち方、食べ方なんていくらでも変えられます。服もオシャレに変身してもらえます。

でも、根底に根ざした男尊女卑な思想は変えられないから、「この服着てみない?」と言ってみても、「女が口出ししてきやがった」と思う人の性格は、どうにもならない。その違いを仕分けしてみて、変えられるものは許せる。
変えられないものは、これは無理だなってやる。

パーフェクトな人は男女ともにいません。ただ、女性の方が観察眼を持っている方が多いから、細かいことに気がつきがち。そうすると「これもダメ」「あれもダメ」と、欠点も見つけやすいんですよね。
だから、変えられるものと変えられないもの、許せるものと許せないもので仕分けしていくのが一つの手じゃないかなというふうに思います。

婚活女性が陥りやすい罠② ネガティブ思考が飛躍する

トイ:関連して、別の罠にも言及したいんです。
たとえば、男性が初回のデートに遅刻したとします。そこで、女性は「初回で遅刻だなんて、この人は相手を大事にする素質がないのではないか」といった、拡大解釈をする傾向があるように思います。
だから、先ほど川崎さんがおっしゃった「変えられるものと変えられないもの」の仕分けをミスってしまう。遅刻のようなたった一つのミスが、人生観に関わっていると誤解しがちです。

もうひとつ例を挙げると、「彼が私へ、『両親と一緒に料理とかしてくれたら嬉しいな』と言った」としますね。
ここで、敏感な女性なら「相手の両親と料理をしろだなんて! 男尊女卑思想なのでは?」と思うかもしれません。

ですが、よくよく彼のメッセージを見せてもらうと「お母さんと仲良くなってくれたらいいな~、あ、母親も◯◯ちゃんも料理好きって共通点があるし、それをきっかけにして交流してみる?」という意図しかなさそうだなぁ、とわかることがあります。

「彼が○○って言ったから、絶対に男尊女卑だと思う」とか、「このアクションがあるからきっと私生活もこうなはず」と、クモの巣のようにバーっと思想が広がってしまう人がいますよね。どう思われますか?

川崎:そういう相談でずっとお話を聞いていると、相談してくださる女性の自己肯定感の低さをすごく感じます
ただ単に寝坊したという行動から「彼は私のことがあんまり好きじゃない」「女性に失礼なことをする人なんじゃないか」まで思考が広がるほど、自分を愛せていないということです。

これって、いわゆる認知の歪みなわけですよね。歪みがどうして出てくるのか。
「自分が愛されるに値する存在である」と、信じられていないからです。


「相手がひどいことをしてきた……ほらやっぱり、私は愛されないんだ」と思いたいんですよ。
自分自身の結婚はバッドエンド、というシナリオをそもそも描いているんですね。

そうすると、1個1個の失敗が「やっぱり私はこういう人に当たっちゃうでしょ」と確認する作業になってしまう。
それはすごくもったいないことです。
それを「これはただの遅刻だよ。ただの寝坊だよ」と、フラットな認知に戻すのが、カウンセラーの仕事だと思っていて。魔女のサバトでも、私が講座で一番気を付けて教えているところですね。
だから、婚活に自己肯定感を上げて臨むのは、すごく大事なことだと思っています。

婚活女性が陥りやすい罠③ 体の不調を婚活の不調と誤解する

川崎:自己肯定感はよく、「子供のとき一番近くにいた大人との関係性で育まれるもの」と言われます。
じゃあ、もう無理じゃん……という話になりがちですが、「魔女のサバト」でも教えている通り、トレーニングで鍛えられるのです。

もちろん、いきなり0が100になるかというとそうではない。けれど、20%しかなかった自己肯定感が50%、60%にはなる。自己肯定感を鍛えれば、婚活のパフォーマンスが俄然上がります。

トイ:ありがとうございます。最近『昼スナックママが教える 45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』というエッセイを読んだんですね。その本の冒頭に「被害者を意識をやめろ」と書いてあって。刺さりすぎて動けなくなりました。

ストレス源って、寝不足や空腹みたいな、ささやかなところにもありますよね。そこへ、「デートで出会った相手が本当にくだらない」という別のストレスがかかると「なんで私ばっかりこんな目に」って、被害者意識が暴発しがち。

もしかしたら最近、美味しいものを食べていなかったかも。その原因は周りのお店ばっかり行ってたからかもしれない。寝不足になっていたのは、最近Netflixが面白すぎて、深夜寝る習慣になってたせいかもしれない。そこで、出会った男がひどかった、という要素が加わっただけかもしれませんよね。

なのに、その辺がきゅっと詰まったときに出てくるのは「なんで私ばっかりこんな目に」になっちゃうんですよね。
「私はこんなひどい男に会うような人間だったのか」と言い出してしまう。
そういう方へ、「最近寝てる?」「最近よく食べてる?」と聞くと、「そういえば、最近ちゃんと食べてないかも」「最近寝れてないかも」という、身体的な話がでてくることがあります。

体のNGサインを見逃さず、幸せを掴む体質になろう

川崎:幸せや成功には、メンタルがすごく影響する。さらに、メンタルには体の調子が影響する、ということだよね。
そうすると、結局自分の生活をちゃんとできることがメンタルを安定させる。メンタルが安定すると、婚活もうまくいく、となりやすい。

トイ:そうですね。「自己肯定感を高めよう」というと、一般的にはセミナーを受けて自分を高める心を作ろう、みたいな話になりがちです。あるいは、資格を取ろう、キャリアアップとか。でも、体のコンディションを整えることも大切です。サバトの代表のひとりがピラティスをやっていますよね。

たとえばピラティス、ヨガでもいい。自分の心身の不調が減れば、被害者スイッチが入りづらくなる。あるいは、ストレスがかかっても運動で発散できるようになる。
特に年齢が上になってくると、自分を健康に保つことには、すごく価値があるなと感じます。

川崎:ピラティスは動く瞑想と言われているそうですね。それから、女性はホルモンからも影響を受けますよね。ホルモンの影響で不安定になって「私ってこのままでいいのかな」と被害者意識も増えて。なのに、婚活やキャリアアップをしなきゃいけない。40代ぐらいになると今度は更年期が来ます。閉経に向けて、メンタルがガクっと下がっていくわけですね。そうすると「なんで私ばっかり」って思いやすい。

職場にも「何でこの人こんなにいつも不機嫌なんだろう」というお局様がいるでしょ。あの人たちも自分の人生に虚勢を張ってたり、実はすごく自己肯定感が低くなってる状態にあるわけです。
でも、馬鹿にされないようにしなくちゃと、踏ん張ってしまう。だから笑顔がなくなってきます。

本来、年上の女性の強みは包容力。ですが、その強みがなくなって、お局様になるわけですよ。そういうふうにはなりたくないよね。
なので、自分のホルモンも体調も含めてマネジメントしていくのはすごく大事ですよね。

婚活女性が陥りやすい罠④ とりあえず行動量を増やそうとする

トイ:それこそ、婚活の罠だなと思うのは、アクションばかり増やしてしまうことです。
私も、婚活で不安だからデートばかり増やしていたタイプです。それをPDCAのDOしかない「DDDDアクション」と呼んでいます。
とにかくマッチングアプリ、結婚相談所に行く、友達の紹介……とデートばかり増やして「全員ピンと来ない、なぜ!」と叫ぶ人が結構いるなと。

DDDDアクションをやると、「なんかやってる感」は出ます。
なのに全然マッチングしない。だから、「私は性的に魅力がない」「私はこんなレベルの女だったんだ」とショックを受けてしまう。

背景には「私はこんな人と結婚したかったはずなのに、全然違う人間と会っていました」という話があるわけです。たとえば、文学系の塩顔男性に会いたかったはずなのに、六本木のオラオラ系男性と会っていたりする。

川崎:私も白魔女も、かつて飛び込み営業でそういうことをやりました。
どの会社があるかもわかっていないのに、ビルの上から下までオフィスへ全部飛び込んでいく。そうすると、名刺の数だけは増えます。やった感はあるし、忙しいから、そのときの自分は頑張ってる感はありますよね。だけど、確率が悪いから半年もすれば戦略変更を迫られます。

トイ:私も、自社の経営で飛び込み営業に300万円ぐらい使いました。人は焦ると、結局同じことをやってしまう。飛び込み営業をせずに戦略を考えようって、営業の参考書でも現場でも、死ぬほど言われていると思うんですよ。
婚活でも「出会いの数だけ増やしてもしょうがない」って言われますよね。

でも、焦っているときは「じゃあ何をすればいいんだよ」となってしまう。
「飛び込み婚活をやめるためには戦略戦略と言うけど、どんな戦略を立てればいいんだよ!」と。視野が狭くなっているんですね。

川崎:実は、周りを見ると「戦略的婚活」のいいお手本がいたりしますよね。
私には今19歳の娘がいまして、同級生の恋愛模様を教えてもらったことがあります。
彼女たちは、Instagramで裏アカウントを作っています。その裏アカを、好みの男の子たちにしか見せないんですって。好みの男性にプレゼンする専用の裏アカなんです。

で、その裏アカで、自分のいいところを見せていくんです。たとえば、すごく綺麗にできたメイクをアップして「今日はちょっと薄めメイクやってみた」みたいに投稿する。そういうのが、普段のInstagramでちょいちょい流れてくるわけです。向こうから見れば、アイドルのCMを見せられているようなものですよ。

最初は、彼女のことを別にタイプじゃないかも、とか思っているはずなんです。それが、毎日のように裏アカでプロデュースされた彼女たちを見ているから、どんどん好きになっちゃう。それを女子高生時代からやっているのを見て、すごいなと思ったわけ。
「このしたたかさは何だ!? 自分の魅せ方をわかってるじゃん」って。

トイ:10人とか、20人にしか見せないから価値があるわけですよね。

川崎:そうそう。だから「今日は悲しいことがあって泣いちゃった」みたいな同情させるようなことを見せたり、そこに友達が「大丈夫?」「ありがとう」ってやりとりを見せたり。自分は、親友にもちゃんと守られてるいい女だって演出することもやってるわけ。

SNSの使い方も含めて、自分のブランディングが上手い子は本当にちゃっかりしてる。私の相談に来てる子たちに、爪の垢でも煎じたいなと思うことがいっぱいありますね。

トイ:確かに、婚活女性で好みの男性に見せる裏アカを戦略的に作ってます、って聞いたことない。5,000人中、0ですね。

このまま 川崎貴子xトイアンナ対談の続きを読む >>>

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この記事を書いた人

1987年生まれ。慶應義塾大学卒業後、外資メーカーで勤務してのち、独立。 婚活予備校「魔女のサバト」主催者のひとり。書籍『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門(イースト・プレス)』『やっぱり結婚しなきゃ! と思ったら読む本: 35歳からのナチュ婚のすすめ』(河出書房)など多数。

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